裁判官・検察官高等委員会(HSYK)、職権乱用でベイオール検察長を更迭(Milliyet紙)
2006年01月24日付 Milliyet 紙

裁判官・検察官高等委員会(HSYK)は、ベイオール検察庁のウナル・ジャンポラト検事長を更迭した。トルコ初の架空貿易事件の容疑者であるトゥラン・チェビクとその息子、義理の息子の保釈を、3つの裁判所が拒否したにもかかわらず許可していた。

「自分の職権を行使した」との主張が不十分だとみなされたジャンポラト検事長だが、最終報告の結果処分を受けたとしても、年金は支払われ、検事長としての権限も失われない見通し。スキャンダルによりイスタンブル最大の郡の一つであるベイオールの検事長が更迭により引退する結果となった。

ジャンポラト検事長は、武力抗争事件で逮捕されたトゥラン・チェビクとその息子、義理の息子による保釈請求を3つの裁判所が棄却したにもかからわず、職権を行使して保釈を許可していた。ジャンポラト検事長の息子がチェビクの息子と仕事上のパートナーであることを暴露した本紙は、同検事長がチェビクの娘の結婚式の証人を務めていたことも写真で証明した。

■監査官からの事前報告書
情報に基づいてジェミル・チチェキ法相の命令で開始された調査の一環として、監査官は事前報告書を準備した。報告書は、再び法相の命令でHSYKに送られた。事前報告書の中で、監査官は問題が重大であり、また事実である可能性が高いことから調査を続ける一方、ジャンポラトが検事長職に留まることはふさわしくないとの見解を示した。

HSYKは、昨日行った会議で監査官の見解を妥当と判断し、ジャンポラト氏を更迭する決定を下した。決定では、ジャンポラト氏が裁判官・検察官法第77条の「司法の権威と名誉が害されないこと」という規定、および調査結果の正当性から更迭すると記されていた。

■「職権を行使した」
決定に関する監査報告書にはジャンポラト氏の主張も載せられた。ジャンポラト氏は、下した保釈決定は自らのプライベートな領域とは関連がないとし、「保釈決定が正当であったと考えたために職権を行使した」との見解を示した。しかし監査官とHSYKの委員を納得させられる主張ではなかったため昨日の決定が下された。こうして2月3日に職務を離れることとなったジャンポラト氏だが、この日までに職務に復帰できる可能性がとても低いことから、調査結果により更迭され、このまま検事職に別れを告げることになる公算が強い。

法務省監査官が来月の終わりに完成予定の最終報告書の作成に向け調査を続けることも明らかにされた。最終報告書でHSYKがジャンポラト検事長を「職務から放逐」という処分を下したとしても、退職する検事長としての権限は失われない。ジャンポラト氏の年金受領の資格にも変化はない。しかしジャンポラト氏に対して刑事訴訟が起される可能性はある。

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( 翻訳者:栗林 尚美 )
( 記事ID:1769 )