パレスチナ市民の選択はテロ組織 -評議会選挙でハマス大躍進(Milliyet紙)
2006年01月27日付 Milliyet 紙

イスラム原理主義組織ハマスは、ヨーロッパ連合(EU)とアメリカのテロ組織リストに名を連ねており、その設立以来、イスラエルの抹殺とパレスチナ国家樹立を目指しているが、パレスチナにおいて昨日、この10年間で初めて行われた評議会選挙で、期待を上回る圧倒的な得票数で勝利を収めた。132議席のパレスチナ評議会において、非公式だが確実な結果報告によると、76人の議員を国会に送り込むことに成功したハマスは、ゲリラ活動を通して40年ほどパレスチナ自治政府における与党であり続けたファタハを崩壊させたこととなった。ハマスの明らかな大勝利に対し、パレスチナ自治政府のアフメッド・クレイ首相は、非公式な集計結果の公表を待たず、ハマスによる新政権樹立のため大臣たちとともに辞職した。

■「イスラエルとは会見を行う気はない」
2000年の初めから今日までイスラエルにおいて、大半を一般市民対象とする60件近い自爆テロを行い、何百人ものイスラエル人を殺したハマスが、初めて参加した選挙で新しい政権を樹立する権利を得たことは、イスラエルを筆頭に世界中の不安を掻き立てた。イスラエルを承認せず、またイスラエルとの会見を行うことを拒否したハマスが、パレスチナ自治運営を手中にしたことは、中東和平プロセスの将来を危険にさらしている。ハマス幹部は、選挙の結果が明らかになった後行った会見において、今後の予定にはイスラエルと会見を行うことはないと改めて強調した。イスラエルのオルメルト首相代理もハマス主導のパレスチナ政権は信用できないと表明した。

■ファタハからの拒絶
非公式だが確実な選挙の結果を昨晩明らかにしたパレスチナ中央選挙委員会のハンナ・ナスル会長は、ハマスが76、ファタハが43議席を獲得したことを述べた。ナスル会長の説明によると、エブ・アリ・ムスタファ派が2、ムスタファ・バルグットのパレスチナ解放人民戦線が2、ハナン・アシュラビ派が3、ヨル派が2、無所属が4議席をそれぞれ獲得した。東エルサレムのファタハに所属するキリスト教徒の候補は3議席を獲得した。ハンナ・ナスル会長は、投票率が77%であったことを明らかにした。ファタハ幹部も昨日早くに、ハマスが選挙で過半数を獲得したことに言明し敗北したことを認めた。
ハマスの、ヨルダン川西岸とガザ地区におけるリーダーであるイスマイル・ハニヤーフは、初めての会見において「ファタハとの連立を希望している」ことを表明した。ガザで会見したハニヤフは、「偏った行動をとりたくない。素晴らしい仕事をお目にかけたい」と語った。一方ファタハの上級幹部のひとりサイブ・エレカトは、ハマスのこの申し出を拒絶した。ハマス上級幹部のミュシル・アル・マスリも「今後、イスラエルの承認あるいはイスラエルとの交渉の予定はない」ことを明らかにした。

■イランは大満足
イラン外務省スポークスマンのハミド・ルザー・アセフィは「イランイスラム共和国は、ハマス、すべてのパレスチナ軍人、そして多くのムスリムたちを祝福する」と述べた。
ロシア外務省の中東特別代表であるアレキサンダー・カルギンは、パレスチナにおける新しい政府が「おそらくイスラム国家になるだろうが、ロシアはあらゆる状況においても新政府に協力するつもりである」と言明した。


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( 翻訳者:近岡 由紀 )
( 記事ID:1783 )