アッバース大統領、組閣要請のため一両日中にハマース指導部と会談へ(アル・アハラーム紙)
2006年01月28日付 Al-Ahram 紙

■ ファタハ支持者、評議会におしよせ、党中央委員会の辞任を要求
■ アッバース大統領、新内閣の組織を要請するため、一両日中にハマース指導部との会談へ
■ マシュアル:「イスラエルを承認せず、抵抗の武器を捨てず」

2006年01月28日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ガザ‐アシュラフ・アブルホウル】

 パレスチナ評議会選挙でのハマース勝利の報が伝えられてから24時間も経たないうちに始まったファタハ支持者たちのデモは二日目も続けられた。彼らはファタハ指導部と中央委員会に選挙で喫した敗北の責任があるとして、彼らの辞任を要求している。
 
 数千人のファタハ支持者たちがガザ市の立法評議会議事堂に突入して備品の一部を破壊、議事堂前に駐車していた自動車数台に火をつけるなどした。また空に向けて発砲する者もおり、事態を収拾するために当局はガザ市の電力をストップする状況に追い込まれた。(中略)

 アッバース大統領は昨日、次期の組閣をハマース指導部に求めるだろうと発表し、「現段階ではまだ誰にも組閣を求めていないが、あらゆる政治勢力との連絡と協議が進行中であり、間違いなく多数派のハマースに組閣を求めることになるだろう」と語った。

 一方、ハマース指導部のイスマーイール・ハニーヤは、組閣について協議するため一両日中にも会合を持つことでアッバース大統領と合意したと発表した。ハニーヤ氏は「アッバース大統領に連絡し、ハマースは今後もパレスチナの諸権利と原理原則を守っていくこと、また他のあらゆる勢力との政治的連携を強化していくことを確認した」と語った。
 ハマース政治局長のハーリド・マシュアルは、同様の問題について、ファタハとの連立政権の構築は時期尚早であると述べた。同氏はイタリアのラ・リパブリカ紙への談話の中で、ハマースは非常に複雑な国際情勢や、パレスチナ当局に向けられている米の圧力についてこれから検討し、オスロ合意やイスラエルの承認をアッバース大統領が求めてくるかどうか見極めることになる、と説明した。ただしハマースとしては今後も承認するつもりは無い、とも述べた。またマシュアル氏はロードマップの受け入れを拒否し、「ハマースはエルサレムや難民、奪還すべき土地に関することについてはあえて発言しないが、ムジャーヒディーン(戦士)たちの武装解除や彼らの身柄拘束、抵抗運動の放棄といった条件はすべて拒否する」と語った。また「ガザからの撤退というような成果をもたらしたのは軍事力だけだ」と述べ、ハマースの武装解除を拒絶した。(後略)



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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:1792 )