テヘラン資産家女性連続殺人事件 第四弾:主犯の男、女にだまされていた ハムシャフリー紙
2006年01月28日付 Hamshahri 紙
2006年1月28日付けハムシャフリー紙事件面
【事件部】テヘラン資産家女性連続殺害事件の容疑者アリー・レザーの両親は、同容疑者がある若い女性にだまされたことが原因で今回の事件に及んだ可能性を示唆した。
当ハムシャフリー紙の報告によると、アリー・レザー(大学農学部卒、29歳)とアァザム(教育学部学生、22歳)の両容疑者が3人の女性を殺害したとして逮捕されてから15日が経過したが、両容疑者とも取り調べの中で依然として、犯行は金銭の強奪が唯一の目的だったと述べているという。これに対してアリー・レザーの父親は、第一級司法弁護士の
アブドッサマド・ホッラムシャーヒー氏と会見し、息子の弁護を要請した上で、次のように話した。「私と息子の間に、これまで新聞紙上などで取りざたされている類いの不和や対立などは、まったく存在しなかった。私も妻も、息子が罪を犯したということが未だに信じられないのです。息子に経済的な問題はまったくなかった。息子が私にお金を無心するようなことがあれば、いつでも私はそれに応じてきた。私の息子は犯罪を犯すような性格の持ち主ではないんです」。
アリー・レザーの母親も同弁護士に「息子には手のふるえという持病がありました。そんな子がどうやって人を殺せるでしょうか。息子は自分の映像製作グループの活動で、お金持ちの家にはしょっちゅう出入りし、内輪で開いている映画祭の会議にも出ていました。もし殺害の動機が金目的だったならば、どうして彼らの家で盗みをはたらかなかったのか。会議に行った先の家で盗みを働くほうがよっぽど簡単ではないかと私には思えるのです。そこでなら、人を殺す必要もなかったはずです」。
また、ある消息筋は本紙に次のように語った。「アリー・レザーの映像製作会社には、若い娘が秘書として働いていた。この娘は道徳的にいかがわしく、アリー・レザーが彼女に騙されたことを示す様々な証拠が、現在彼に近しい人々によって集められている。彼女に騙されたことが、アリー・レザーが凶行に及んだ原因である可能性もある」。
ホナルマンド判事は、この事件の共犯者であるアァザムを、保釈金1億トマーン(約1300万円)で保釈する決定を下した。ホッラムシャーヒー弁護士はこれについて、「基本的には保釈の決定が下されても、判事や警察当局が捜査のために容疑者に出頭を求めた場合には、容疑者は出頭しなければならない、ということを意味している。今回の件でも、アァザムが保釈金を支払えば、また司法関係者が保釈を認めればいつでも、警察や司法当局が当人の取調べを要求するまで、拘束されることはない」と話した。
この報道によれば、アァザムはこれまで保釈金を支払う能力がなく、依然として事件の主犯格の男とともに、テヘラン首都警察第10課の取調べを受けているとのことである。
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( 翻訳者:久野華代 )
( 記事ID:1802 )