輸出偽装による脱税と不法侵入にともなう殺人及び傷害の容疑者、疑惑の釈放(Milliyet紙)
2006年01月04日付 Milliyet 紙

 トゥラン・チェヴィキとその息子のアフメト・ヒルミ・チェヴィキは、カラキョイの事務所への不法侵入事件後、トルコ初の偽装輸出の容疑で逮捕された。彼らは、関連裁判所が3度にわたり釈放請求を棄却したにもかかわらず、新刑法に基く検察の決定により12月31日に釈放された。決定にある署名が、アフメト・ヒルミ・チェヴィキのパートナーで、ベルカイ・ジャンポラトの父、ベイオールの共和国高等検事ウナル・ジャンポラトのものであることが明らかになった。
 チェヴィキの非公式パートナーであるといわれるカラキョイにある会社に対し2005年11月に起こった武装不法侵入では、1人が死亡、3人が負傷した。警察の報告によると、事件は、会社の非公式パートナーのトゥラン・チェヴィキ、公式パートナーのアフメト・ヒルミ・チェヴィキ、エルカン・ユルドゥズとサアデッティン・ドゥルグンとティティズ・テクスティルの殺害された非公式パートナーのハジュ・エルドアン、公式パートナーのウール・ゾルバ、ムラト・インジェの間で起こった。

■未払いの小切手
 捜査の過程で、ハジュ・エルドアンが1995年以来高利貸しをしており、市場から集めた小切手と領収書をトゥラン・チェヴィキに売ったという点が注目された。少し前に3 万トルコリラの小切手の不払いの結果、ティティズ服地店には差し押さえの手続きがなされていた。これに怒ったエルドアンがチェヴィキ所有の事務所に押し入ったということである。事件後失踪していたゾルバとインジェととともに、11月23日にアフメト・ヒルミ・チェヴィキ、12月29日にはトゥラン・チェヴィキとその他の4人の容疑者が拘束され、『傷害殺人罪と銃刀法違反』の疑いで逮捕された。

■驚きのパートナー
 侵入後まもなく、会社のパートナーの中にベイオールの共和国高等検事の息子ベルカイ・ジャンポラトが名前を連ねた。このパートナーシップが捜査記録においても明らかにされた。これによると、「トルコ貿易記録」紙において「共同金属建設石油食品観光貿易有限会社」のパートナーとして、ネジャティ・エンヴェル・トプタシュ、アフメト・ヒルミ・チェヴィキ、ケマレッティン・アジャル、サアデッティン・ドゥルグンとベルカイ・ジャンポラトの名前があったことが明らかにされた。2004年5月に設立されて、10万トルコリラの資本の会社でトプタシュとチェヴィキが3万5千ずつ、ベルカイ・ジャンポラトが3千トルコリラで株主であることが明記されている。パートナーが10年の任期で会社の役員に選出されることも明記されている。

■裁判所の棄却
 捜査を行ったベシクタシュにあるイスタンブルの共和国高等検察は事件を悪質な組織的犯行とみなさず、12月15日にベイオールの共和国高等検察に書類送検した。検事のファイサル・アクポラトは、6日後、トゥラン・チェヴィキを釈放するために、ベイオール担当の第2地方裁判所に書類を書いた。裁判所は12月 22日にチェヴィキに適用されるだろう刑罰の上限、および書面上の専門家報告書による罪状認識に強い疑いがあるという点を指摘し、釈放の要求を拒否した。
 しかし検事アクプロトは、トゥラン・チェヴィキの殺人と傷害への関与を示す強力な証拠がないことを述べて、裁判所の決定に異を唱えた。第2地方裁判所は、前回の決定が『変更される点はないこと』を強調して検事の要求を2度目も拒否した。
 検事アクプロトは、今度は一つ上級の裁判所にあたるベイオールの第5高等裁判所に上告した。裁判所は、12月23日の決定で『証拠に変更はなく、裁判所の決定は法に反しておらず、重罪であり、容疑者が逃亡する恐れがある』と述べて上告を棄却した。
 2005 年12月30日にベイオールの共和国検事ウナル・ジャンポラトの署名によって容疑者が刑法103条2項により釈放の決定がなされた。そして起訴手続きがまだされておらず、捜査の一環で拘留されたトゥラン・チェヴィキ、アフメト・ヒルミ・チェヴィキ、エルカン・ユルドゥズ、ムラト・インジェ、とウール・ゾルバの釈放の決定がなされた。


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( 翻訳者:新井 慧 )
( 記事ID:1641 )