死亡した少年は鳥インフルエンザと判明、高病原性のH5N1型か(Milliyet紙)
2006年01月05日付 Milliyet 紙

アクダー保健相は、ヴァン百周年大学医学部付属病院で治療を受けていた少年が亡くなったのは鳥インフルエンザウイルスが原因だったことを明らかにした。

昨年10月にトルコ西部、マンヤス鳥類保護区近くのクズクサ町で七面鳥が死んだことで始まったトルコの鳥インフルエンザは、初の犠牲者を出した。
レジェプ・アクダー保健相は、ヴァン百周年大学医学部付属病院で亡くなったメフメト・アリ・コチイイット君の死因が鳥インフルエンザによる肺炎であることや、重体となっているきょうだいのファトマさん、ヒュルヤさんからも鳥インフルエンザウイルスが検出されたことを明らかにした。
保健省の会見は昨日、メフメト君の司法解剖の結果得られた詳細なデータを元に、アクダー保健相の個人的な決定により行われた。午後8時に行われる予定だった会見はヴァンからのデータの到着が遅れたため、午後10時半に変更された。

アクダー保健相はトルコで鳥インフルエンザの人間への感染が確認されたという歴史的な発表を、13人の専門家と官僚とともに午後11時に行った。発表によると、アール県ドゥバヤジット郡で病気のニワトリと接触した後具合が悪くなったコチイイットきょうだいと36歳のセマー・トップチュ氏から採取した検体が、レフィキ・サイダム衛生研究所とイスタンブル大学医学部で分析された。その結果、12月31日にヴァン百周年大学で治療を始め、翌1月1日に死亡したメフメト君と、きょうだいのファトマさん、ヒュルヤさんから採取した検体からは鳥インフルエンザウイルスが検出されたという。トップチュ氏から採取した検体からはウイルスは確認されなかったことも明らかにされた。

最初の分析では鳥インフルエンザへの感染という結果に至らなかったことを明らかにした アクダー保健相は、当初サンプルとして採取した患者の鼻の粘膜からは鳥インフルエンザウイルスは確認されなかったため、最終判断のため4人の患者から細胞を採取して分析したことを明らかにした。メフメト君の肺の一部と、他の患者の細胞を分析したところ、鳥インフルエンザに感染していることが判明したという。

■他の地域でも感染の可能性

アクダー保健相は、東アナトリア地方全体に鳥インフルエンザ感染のおそれがあり隔離の必要があるとは言えないとし、病気の危険性は現在ドゥバヤジットに限られていると述べた。患者たちは問診の直後から鳥インフルエンザの治療を受けていたことを明らかにした保健相は、「依然としてトルコ国内の他の場所で感染が起こらないとは言い切れない」と話した。
ハジェットテペ大学のセルハット・ウナル教授も、患者に対し抗生物質による治療が行われていると述べる一方で、「しかしこの治療法は(感染後)48時間以内でないと効果がない。鳥インフルエンザの死亡率は58%に達する。タミフル薬が患者に投与された。メフメト君は不適切な治療や治療の遅れで亡くなったのでない」。
一方、ヨズガト県のギョクハン・ソゼル知事は昨日行った会見で、アクダーマーデニ郡アルトゥルザイムゲチディ村で1月2日から4羽のアヒルと45羽のニワトリの死亡が確認され、村にいる668羽の家きん類が処分されたことを明らかにした。

■ヨーロッパでの最初の死亡例

トルコは世界保健機関(WHO)ヨーロッパ支部に属しているおり、正式な記録として、メフメト君は「ヨーロッパで最初の鳥インフルエンザによる死亡例」となった。トルコでの感染拡大以外では、昨年12月30日時点で鳥インフルエンザへの感染が確認された人は全世界で142人に上り、このうち74人が死亡している。死亡例はベトナム、インドネシア、タイ、カンボジア、中国のような東南アジアの国々で見られる。
WHOの伝染病特別顧問であるGuenael Rodier氏もジュネーブで行った会見で、「残念なことに、これまで人に感染した鳥インフルエンザウイルスは(高病原性の)H5N1型にほぼ間違いない」と話した。WHOは狭い範囲での伝染の原因であるウイルスが人から人へ伝染することで、世界中で少なくとも1500万人が死亡する可能性があると発表した。

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( 翻訳者:住永 千裕 )
( 記事ID:1647 )