イスラエル、北部へのロケット弾発射についてレバノン、シリアを非難(アル・ナハール紙)
2005年12月30日付 Al-Nahar 紙
■ 「抵抗運動はロシア政府がシリア政府に渡したミサイルを所有している」
■ イスラエル「ロケット弾発射の責任はレバノンとシリアにある」
2005年12月30日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【ラーマッラー:ナハール紙、諸通信社】
イスラエル政府は昨日、火曜日にイスラエル北部の2つの入植地に対してカチューシャ・ロケットが発射された責任はシリア政府とレバノン政府にあるとし、ヒズブッラーはロシア政府がシリア政府に渡したロケット・ミサイルを所有していると述べた。
イスラエル軍参謀総長ダン・ハルツ将軍はイスラエル軍放送に対し、「誰がカチューシャ・ロケットを発射したのかは確認できていないが、背後にはシリア人がいる」と発言した。また、「レバノンではヒズボッラーはもとより、パレスチナ諸組織が活動している。パレスチナ組織の一部は独立系だが、一部はダマスカスの拠点から操られている。さらに別の一部は、ガザ地区や西岸地区の現地組織と接触がある」と述べ、「背後にはシリア人がいる。というのも多くの利得があるからである」と指摘した。
■ ザイーフィー長官
一方、イスラエル軍情報機関のアハロン・ザイーフィー長官は、退職が近いことを機にイェディオット・アハロノット紙が行ったインタビューの中で、「ヒズブッラーはシリアがロシアから購入したRPG29ミサイルを使用している」と述べた。長官は、ヒズブッラーがイスラエルに対して仕掛けている戦争にロシアが関与している、とロシア政府を非難した。同紙が伝えたところによれば長官は、「ロシア人とシリア人の本当の顔が明らかになった。彼らは(ヒズブッラーに)移転しないことを約束して武器を売買しているが、この武器は明らかに我々に対して使われている」と述べた。長官は、ヒズブッラーの戦闘員がおよそ1ヵ月前にガジャル村でイスラエル軍と衝突した際にRPG29ミサイルを使用していたと説明し、「このミサイルはロシア製で、シリアがここ数年のうちに購入し、ヒズブッラーに提供したものである(…)この武器は貫通力が高いために、影響は大きい」と述べた。
また長官は、ロシア・シリア間でのSA18ミサイルの取引にイスラエルが反対している背景には、ヒズブッラーへの武器移転に対するイスラエルの懸念があると強調した。
さらに長官は、火曜日にレバノン領内から2つの入植地、キルヤト・シェムナおよびシャローミに発射されたカチューシャ・ロケットはロシア製だったが、「かなり以前の取引によるものだった」と述べ、さらに「我々の情報では、シリアのバッシャール・アサド大統領は4月にシリアがレバノンから撤退する前に、軍事物資や武器をパレスチナ諸組織やヒズブッラーへ移転したのである」。
ガリレヤ地区のイスラエル軍副司令官ドゥルール・バラティン大佐は、イスラエル北部へのロケット発射の責任はレバノン政府にあると述べた。
大佐は、「レバノン政府はその根源の如何を問わず、こうした事件を防がなければならない」と述べた。また、「ヒズブッラーは数ヶ月前から国境地帯の兵士を拉致しようと試みている」と述べ、「イスラエル軍はこうした試みを阻止する準備がある」と強調した。
これに先立ってイスラエル軍北部地区の司令官ウーディ・アーダム将軍は水曜日、「イスラエルは領内に向けて9発のカチューシャ・ロケットが発射されたことに対し、慌てず冷静に報復する」と述べ、イスラエル軍機がナーイマ地区のパレスチナ解放人民戦線総司令部派の基地を攻撃した後「イスラエル軍は北部における現在の戦闘状態は終わったものと考えている」と述べた。
イスラエルのハーレツ紙は、ロケット弾攻撃を受けた後のキリヤト・シェムナを訪れたアーダム将軍の言葉として「イスラエル軍の長い手はあらゆる場所へ届く。もしレバノン政府がミサイル発射の責任者に対処できないなら、我々自身が彼らに対処する。私はレバノンをテロ組織支援国家だと見ている」と伝えている。
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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:1654 )