トルコ憲法裁判所初の女性長官、欧州人権裁判所で新年スピーチの予定(Milliyet紙)
2006年01月06日付 Milliyet 紙

女性として初めて憲法裁判所長官に選出され、エルドアン首相に「EUへの切り札」と評されたテュライ・トゥージュ長官が、欧州人権裁判所の2006年のオープニング・スピーチを行う予定だ。トゥージュ長官は、「代表をつとめている組織(憲法裁判所のこと)の重要性」と「女性であり、そして法律家であること」を兼ね備えている。このため、欧州人権裁判所のヴィルトハーバー長官から「単独スピーカー」として招待された。式典には、同僚のオスマン・パクスュト裁判官とともに参加する予定だ。

■ヴィルトハーバー長官からの招待
欧州人権裁判所はトルコに与えた重い賠償判決でトルコ世論に知られているが、今回はトルコの「現代的」な一面を欧州世論にみせるために仲介役を担う。

欧州人権裁判所は、新年オープニングを毎年初めに行っており、2006年については1月20日に行われる。この式典にトゥージュ長官が招待された。ヴィルトハーバー長官がトゥージュ長官に送った招待状によると、式典はストラスブールで14時から17時30分まで行われるシンポジウム「欧州人権裁判所の判決の効果とその実行、司法の役割」で始まる。
このシンポジウムには、リトアニアの憲法裁判所長官、ドイツ連邦憲法裁判所長官が講演者として参加する。これに続き、18時15分から式典のオープニング・スピーチが行われるということだ。また招待状には、スピーチの後、ヴィルトハーバー長官主催の夕食会が催されることが記されている。

■電話で出席表明
トゥージュ長官はヴィルトハーバー長官に招待を受けることを電話で伝えた。そして駐ヘルシンキ大使任期中にセゼル大統領の命で憲法裁判所裁判官メンバーに任命されたパクスュト氏とともに参加することも述べた。
トゥージュ長官のスピーチは、憲法裁判所の活動と判決、欧州人権条約の適用、そして条約の決定事項を個別具体例に反映させることを軸とする予定であることが分かった。

■2つの要因
欧州人権裁判所は、オープニング・スピーチを行う名前を発表する際、「講演者のアイデンティティ」と「代表をつとめる組織の重要性」を基準としたと発表した。欧州人権裁判所によると、トゥージュ長官の選出は、欧州人権裁判所がトルコ憲法裁判所をいかに重要視しているか、ならびに「初の女性長官であるという肩書き」、「法律家という身分」が作用したと述べた。

◆初の女性長官
2005年7月26日、ムスタファ・ブミン元長官退官のため、新長官選挙が行われた。この選挙で2年間の憲法裁判所長官職に任命されたトゥージュ氏は「初の女性長官」という肩書きを得た。
元・世界法曹協会会長イブラヒム・カボウル教授は、ヨーロッパ諸国でもこの地位に女性が就いた例は記憶にないと述べている。エルドアン首相も、トゥージュ氏の長官選出は、EU加盟交渉にあたるアリ・ババジャン国務相にとって有効な切り札となるだろうと述べ、次のように続けた。「なによりも、トルコでは女性がこのような地位にまで上れることを示せた。女性長官の就任は、女性の社会進出をもっともよく証明していると思う。ババジャン国務大臣はこれをヨーロッパにアピールできるだろう。トルコの最も重要な司法機関のトップにも女性が就任したのだ。それも選挙で、男性票を獲得することによって選出されたのだ。」


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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:1661 )