公正発展党が反発 -教師通勤中のイスラーム風スカーフ着用は個人の自由(Milliyet紙)
2006年02月10日付 Milliyet 紙

公正発展党のアキフ・ギュッレ副党首は、通勤中にイスラーム風スカーフを着用していた教師が幼稚園長職を免職させられた事件を、世俗主義の観点から妥当とした行政裁判所の判決を批判した。
ギュッレ氏は公正発展党が党としてトルコにおける個人の自由の向上に努めてきたことを明らかにし、次のように述べた。

■「まだまだ足りない点がある」
「トルコでは何年も、公共空間の定義から、公共空間の領域がどこからどこまでなのかという点に至るまで、議論が続いてきた。個人の自由をどれだけ拡張し、個人の思想や信仰をどれだけ尊重できたかということは、とりもなおさずEUを筆頭とする近代化の道をその分だけ前進したというと意味になる。未だにいくつかの問題が論争の種になっているということは、(個人の自由について)まだまだ足りない点があるということであり、定義が定着していないということを示している」。

■「高等教育機構の行動は不可解だ」
ギュッレ氏は、(改正された)通信制高校規定の適用を中止させた行政裁判所の判断に関する問いに対しては、高等教育機構がこの問題について行政裁判所の判断を仰いだことは不可解で間違いだとの見解を示し、次のように語った。
「今回の規定改正は職業高校に対し教育の機会均等をもたらすものであり、決して(職業高校枠に含まれるイマーム・ハティプ生徒に対し)寛容を示したというわけではない。つまり今回の措置は『私はA職業高校を卒業後、他のある教育機関にて(普通高校に対し)不足している単位を取得し、普通高校の学生と同じ条件で大学入学試験を受験したい』という生徒の気持ちに沿うものなのだ」。

■クルンチ教師「欧州人権裁判所に訴える」
行政裁判所が、学校への通勤中にイスラーム風スカーフを着用していたため幼稚園長職を免職されたことを世俗主義の観点から妥当としたことに対し、当事者のアイタッチ・クルンチ教師は「とても驚いた。行政裁判所の判断には敬意を表したい」と述べた。欧州人権裁判所に訴えると話すクルンチ教師は、現在勤務しているアンカラ・ケチオレンのサンジャクテペ小学校への通勤時にはベレー帽をかぶって顔を隠していた。クルンチ教師がザマン紙の車に乗って学校へ行き、ワキット紙の記者の車で下校していたことが印象的だった。

※括弧内は訳者補足。また、ザマン紙、ヴァキト紙は共に多少なれども宗教的要素のある新聞として知られている。

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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:1876 )