バルダクオール宗務相:公共の場でのスカーフ禁止、トルコではありうる(Milliyet紙)
2006年02月13日付 Milliyet 紙

宗務庁大臣アリ・バルダクオール教授は、トルコで法律は宗教上の規則に基づいて制定されているわけではないと述べ、公共の場でのスカーフ禁止もありうると発言した。同相は次のように続けた。「法制定と施行について『これは宗教上の規則なので、公共の場では必要ではない。』という判断は可能だ。宗務庁は、法制定、施行、そして判決によって決められたことに対して議論はしない。」

バルダクオール宗務相は、CNNトルコの番組「アンカラの舞台裏」に出演し、欧州人権裁判所と行政裁判所によるイスラーム風スカーフに関する決定について考えを述べた。同相は、法律は宗教の規則に基づいて制定されているわけではない、従って宗務庁として法制定、施行、判決に対して意見を述べることはしないと発言した。さらに宗務庁の管轄であるスカーフ問題はあくまでも宗教の範囲内にとどまるとも述べ、次のように続けた。「我々のスカーフ問題に対する主張は極めてはっきりしたものだ。14世紀もの長きにわたりムスリムは女性が頭部を覆うことを宗教上必要なこととしてきたのだ。」


■「その境界線の中へは入らない。」
さらに宗務相は、公共の場においては宗教上の規則と違う決定が下されうると指摘し、次のように続けた。
「ある人間がムスリムになるために必要なことは、頭をスカーフで覆うことではない。我々は宗教という場、そして宗教が我々に何をどう教えているのかということを重視し満足している。この境界線の中に他の人たちは入ってはいけない。私たちも他の人々がもつ境界線のなかには入らない。法制定、施行、そして判決は、国家の三原則だ。これらに関することで宗務庁が自らの意見を述べることは差し控えたい。
宗教的に必要なことであっても、『公の場では宗教的な必要事項を認めない。』ということは可能だ。これは法の制定や施行の問題であり、宗務庁はこれについて議論をしない。トルコで法律は宗教的な規則に基づいて立案されているわけではないのだ。」


■「表現の自由ではない。」
また宗務相は、預言者ムハンマドの風刺画は表現の自由とはなんら関係がないこと、そして正当な反発が暴力に発展したことは悲しむべきことだと述べた。そしてどの宗教指導者にも宗教について説明する権利があるが、この権利と布教活動を混同させないように留意すべきと発言した。一部の国では伝播主義政策のなかで布教活動を行っているが、宗務庁としてはこれに反対であると考えを明らかにした。


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( 翻訳者:山下 王世 )
( 記事ID:1888 )