カブオール教授&オラン教授裁判は、オルハン・パムク裁判同様に法務省の許可まち(Milliyet紙)
2006年02月16日付 Milliyet 紙
カブオール教授とオラン教授についてトルコ刑法第301条により行われていた裁判が中断した。法務省が作家オルハン・パムク裁判と同様の決定を取るなら、両教授は216条により判決が下される。
『少数派の権利に関する報告』を発表した為に5年の懲役刑を求刑されていた首相府人権委員会前会長イブラヒム・カブオール教授と、同委員会前書記バスクン・オラン教授に関する裁判は、「判決機関に対する侮辱」の罪を問うかどうかで中断した。
「国民に対する悪意や敵意の扇動行為」の罪で告訴された件についてカブオール教授は、「我々は武器を手にしたか?報告書を破いたか?裁判官に授業をしたようだった。今は授業を受けているように感じている」と話した。
■30人の弁護士による弁護
カブオール教授をオラン教授は、憲法で“トルコ人”という概念の代わりに“「トルコ」人”という概念を用いるべきだと主張した報告書を提出したため、トルコ刑法第301条「判決機関に対する侮辱」と、第216条「国民に対する悪意や敵意の扇動行為」に抵触するとして裁判にかけられていた。昨日両教授はアンカラの第一審裁判所で法廷に立った。EU委員会とアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、デンマーク、オランダ、カナダ、スイスの大使館代表も出席した公判では、2 人の教授に対して30人近い弁護士が弁護に当たった。
カブオール教授が記者会見で手に持っていた報告書を奪って破いた公共労働者連合総書記ファフレッティン・ヨクシュの仲裁要求は拒絶された。アブニ・ミス裁判官は報告書が書かれた時点では旧トルコ刑法が施行中であり、新トルコ刑法の第301条に対応する第159条によれば法務省の許可が無ければ判決は下せないことを述べた。
このため第301条に従い、公判資料は、判決の許可を得る為作家オルハン・パムクの裁判と同様に法務省に送られた。
■政府を賞賛していればこうはならなかった
カブオール教授はトルコ刑法216条について行った弁護で、次のように話した。「右派のほかに、赤いりんご連合〔注:右派の政治グループ〕とかいうグループが文句を言ってきた。政府を単に賞賛していれば政府のお気に入り委員会になっただろう。判決を賞賛していれば今日のように我々に対立したりはしなかっただろう。」
■トルコは分かれない
オラン教授も次のように話した。「検察官がどれ程の勇気を持って科学的見解に求刑しているのか分からない。ローザンヌ条約を調べている。条約を書いた人が誤りを書いたとでも言うのか? 報告書を出版してから17ヶ月が経ったが、トルコは分裂などしていない。私は批判するために政府から給料をもらっている。報告書に対する断罪は受けて立つ。」
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( 翻訳者:住永 千裕 )
( 記事ID:1906 )