ムバーラク大統領がパレスチナ大統領・イスラエル外相と会談、ハマース訪問団もカイロ入りへ(アル・アハラーム紙)
2006年02月02日付 Al-Ahram 紙

■ムバーラク大統領がパレスチナのアッバース大統領、イスラエルのツィピ・リヴニ外相と和平の今後について協議、ハマース政治局局長マシュアル氏も近々カイロに到着
■アウワード大使:「ハマースの勝利は民主主義の結果だ 現状は長続きしないだろう」
■リヴニ外相:「イスラエルは誰も罰しない 未来に向けた動きを模索する」

2006年02月02日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

先日の議会選挙におけるハマースの勝利を踏まえ、パレスチナ和平を推進すべく、昨日活発な政治活動がカイロで行われた。

最初にまず、ヘリオポリスの大統領府においてムバーラク大統領とパレスチナのアッバース大統領の会談が行われ、その後ムバーラク大統領は就任後初の外遊でカイロを訪れたイスラエルのリヴニ外相と会談する。

また昨日昼にはハマースのアラブ諸国訪問団がラファハ通行所を通ってカイロに向けてガザ地区を出発した。時を同じくして大統領府公式報道官であるスライマーン・アウワード大使が記者会見を行い、ハマースの政治局トップであるハーリド・マシュアル氏が近くエジプトに到着する予定であることを確認した。

パレスチナ筋が本紙のガザ特派員であるアシュラフ・アブルホウル記者に明かしたところによれば、アッバース大統領のカイロへの出発から数時間後にガザ地区を出発したハマースの訪問団は、ハマース政治指導部の一人であるサイード・スィヤーム議員をはじめ、ムハンマド・シャムア氏、ニザール・アウドッラー氏を含んでいる。

一方、ムバーラク大統領とアッバース大統領の会談後開かれた記者会見においてアウワード大使は、「会談は両大統領の以前からの協議の枠組みのなか、パレスチナ国民を支援するムバーラク大統領の熱意の一環として行われた」と述べた。

またアウワード大使は、ハマース勝利は民主主義の結果であるとするエジプトの見方を指摘し、和平への扉を閉ざすまいとするムバーラク大統領の意欲を強調した。

アウワード大使はさらに、「現在の状況は長続きしえない。パレスチナ議会選挙の勝利者と次のイスラエル議会選挙での勝利者は、国際世論と協調しつつ、共に中東和平を進めなくてはならない」と述べ、2002年にアメリカ大統領が発表したビジョンを実現する為の努力を強化する必要性を指摘した。

一方、アッバース大統領のカイロ滞在中にパレスチナ筋から確認された情報によれば、アッバース大統領はハマースの組閣に対して3つの条件を課している。その3つとは、イスラエルの承認、暴力の放棄、イスラエルとの間でこれまでに調印された全ての合意の尊重、であるという。

これに対しロイター通信は、あるパレスチナの大物政治家の発言として、アッバース大統領はハマースにイスラエル承認を求めないだろうと報じた。

外務省で行われていたイスラエル外相との協議の後、エジプトのアフマド・アブルゲイト外相は関係者らに対し交渉のテーブルに戻ってくるよう呼びかけ、「この地域の平和はアラブ人、イスラエル人、そして国際社会の戦略的選択である」と述べた。

またアブルゲイト外相はイスラエルに対し、両サイドの緊張を増大させるような挑発的な政策や事態を激化させる政策を採らないよう求め、エジプトはパレスチナ人民への懲罰には同意しないと強調した。

一方イスラエル外相は、地域における安定と和平実現への努力におけるエジプトの役割に対してイスラエルが認めている重要性を強調した上で、パレスチナ人民は自ら投票に出かけ、将来の指導者として「テロ組織」を選んだ、と発言した。

そして、イスラエルは誰のことも処罰しようとは思わないし、いかなるパレスチナ政府に対しても暴力の放棄とイスラエルの生存権の承認、憎しみを煽る行為の停止を要求し、将来に向けた道を模索していく、と付け加えた。



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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:1907 )