ハマス一行がアンカラ訪問 -イスラエル、米国から反発の声(Radikal紙)
2006年02月17日付 Radikal 紙
イスラエル:二国間の関係に大きな傷を残す重大な失態
アメリカ:遺憾である
トルコ外務省:国際社会の要望を伝える。正しいメッセージの伝達こそが重要である
公正発展党(AKP)政権は、アメリカとイスラエルの圧力をはねのけて、昨日ハマス一行を「パレスチナ人民が選挙で選んだ代表」としてトルコへ迎え入れた。イスラエルはトルコ政府に強く反発し、トルコ政府がハマスを擁護することについて「二国間の関係に大きな傷を残す重大な失態」であると非難した。アメリカ政府はトルコがこのような微妙な問題を勝手に相談もなく対処してしまったことを憂慮を持って受け止めた。
外務省が先週否定したにもかかわらず、シリアのダマスカスに亡命中のハマスのリーダー、ハリド・メシャルをはじめとした一行が昨日朝イスタンブル経由でアンカラを訪れたことは「電撃効果」を生んだ。一行の中にはメシャルの他にハマス政治局のハリド・アリ・アリ・アブドゥルガディル、イマド・ガラド、ナームク・アラーミー、サーミー・ナフ・ハティル、ムハンメド・アフメド・アビド・アル、ムスタファ・アフメトの姿もあった。計画の段階からすでに予測されていたことではあったが、エルドアン首相が昨日ハマス一行とは会うことはなかった。
ハマスの一行は公正発展党本部で政治司法担当のフラート副党首と会談したが、その席には外務大臣のアブドゥッラー・ギュルも同席した。首相府の関係者によると、ギュルの会談への参加はハマスの訪問を「公式化」するものではないとし、「外相は党内の役職を代表して会談に参加している。また外務省が提供する『技術支援』の観点からも外相の参加は自然なことだ。ハマスが政権を樹立した後に、(首相との)会談の申し出があるならば、首相府として検討する。政権樹立後、首相と公式に会談することに問題はない」と話した。
また、エルドアン首相がパレスチナ市民の自由意志が体制に反映され、新しい時代が到来する機会が与えられたことを重要視していることも伝えられた。
■メシャル:助言を尊重する
会談の後、記者会見に臨んだメシャルは「意義のある助言をいただいた。これらの意見を尊重したいと思う。今後の構想について支持を求めたが、アラブの同志と同様の支持をここでも得ることができた。真の和平と占領状態の解消のため、トルコとの会談を続けていくつもりだ。トルコ政府の成功を見本としたい」と述べた。
■外務省:訪問をビザ申請で知った
外務省は初め、「招待したのではない。他の手段で来訪したのだと思われる」と発表した。首相府は、その後訪問はハマス側の要望で行われたことを公式に発表し、「会談では、パレスチナ選挙後の状況について国際社会の期待を明確に伝える」と述べた。首相府は、今回の訪問がトルコの中東和平プロセスに関する透明で原則に基づいた政策の枠組みで評価されるべきであると強調した。外務省はまた、トルコ側は今回の訪問をトルコの在シリア大使館へのビザ申請で知ったことを明らかにした。
外務副事務次官のアフメト・ウズムジュを長とするトルコ側代表団は、アンカラ・パレスでハマスの一行と会談した。ギュル外相はパレスチナが選挙後、危機的な状況に陥ったことや、まずはじめに正しいメッセージを発信する必要があることに触れ、次のように述べた。「和平交渉は続行すべきだ。パレスチナ国家が建てられ、イスラエルと肩を並べて共存する状況を作り出さなくてはならない。もちろんハマスは民主的な方法で選出されたのであるから、今後も民主的な形で進んでいかなければならない。暴力はあってはならない。こうした事柄を気軽に話し、正しいメッセージを発信し、現実に起きていることに目配りすることが大切であると信じている。(パレスチナ・イスラエル)双方にトルコかが求めるものはこれらのことである」。
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( 翻訳者:山口 南 )
( 記事ID:1912 )