ハマス、トルコ外務省の説得でイラン訪問を断念(Milliyet紙)
2006年02月19日付 Milliyet 紙

アンカラで困難に直面し、トルコの次にイランへの訪問を希望していたハマスの指導者ハリド・メシャル氏は、「ハマスに対するよいイメージを崩すべきでない」とのトルコの外交官の忠告に従い亡命先のダマスカスに戻った。

2月16日の朝にアンカラに到着したハマス代表団は、アブドゥッラー・ギュル外相や公正発展党幹部、外務省高官と面会したのち、夜になってホテルに戻った。ハマスの政治部門のトップであるメシャル氏は、今回の訪問のまとめ役である外務省の儀典担当者と行った話し合いで、イランからも招待を受けていることを明らかにし、アンカラの次にテヘランを訪問する意向を伝えた。

■ トルコ政府、冷や汗をかく
今回の訪問によりトルコ・イスラエル関係を揺さぶったハマス代表団が、アンカラの次にテヘランを訪問し、イランのマフムード・アフマディネジャード大統領とともに反イスラエル、武力闘争支持のメッセージを発信する可能性があったため、外務省には緊迫した空気が流れた。
木曜日の晩から金曜日にかけて、テヘラン行きを断念するようメシャルの説得にあたった外務省幹部は、「ここアンカラから世界に向けてあなた方が与えた穏健で、民主主義支持のイメージを崩してはならない。テヘランを訪問したら、このメッセージがきちんと伝わらなくなってしまう。イラン行きを急がないように」と警告した。

■ 緊張の瞬間
トルコの外交官のありとあらゆる忠告にもかかわらず、ハリド・メシャルとハマス一行は、その日の日中を23時15分発のテヘラン行き飛行機を待って過ごした。一方外務省も、ハマス代表団のため23時30分発のダマスカス行き飛行機に9人分の座席を出発間際まで確保していた。
トルコ政府の強力な圧力により、最終的にイラン行きを断念したメシャルは、テヘランへ飛ぶ飛行機に乗る代わりに亡命先のダマスカスへと戻った。メシャルを乗せたトルコ航空機がイスタンブルを発ったとき、ハマスの36時間にわたる訪問に関し世界に説明がつかずにいたトルコ外務省関係者も安堵の息を漏らした。
外務省の上級幹部は、メシャルのテヘラン行きを断念させた理由を次のように説明した。

■ 「踏み台にされるところであった」
「ハマスが過激な発言で反発を呼んでいるアフマディネジャードとともに行う世界に向けた手厳しいコメントの代償をトルコが払い、ハマスがトルコを“踏み台”のように用いた、と解釈されるところであった。
テヘランへ行っていたなら、我々の与えた正しいメッセージやメシャルのここでの穏健な発言も、忘れ去られてしまうところだった。こうした事態を防ぐべく、多大な努力を払ったのだ」。

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( 翻訳者:井上 さやか )
( 記事ID:1926 )