アテネで、北キプロス・トルコ共和国承認を呼びかける声(Milliyet紙)
2006年02月20日付 Milliyet 紙
ギリシャメディアの有力な論者の一人、アンドニス・カルカヤニスは、キプロス問題の解決を望む新外相ドラ・バコヤニスに対し、「必要があれば北キプロスを承認しよう」と呼びかけた。
前アテネ市長のドラ・バコヤニスが外相に任命された後、ギリシャメディアの有力な論者たちは、コスタス・カラマンリス政権の外交政策転換への期待を、「キプロス問題を泥沼状態から救おう」「必要があれば北キプロス・トルコ共和国を承認しよう」といった表現で表明しはじめた。
ギリシャで最も権威ある新聞の一つで政府寄りのカティメリニ紙では、主筆のアンドニス・カルカヤニスが記事で「カラマンリス首相は今までの外交政策を続けようとしてバコヤニスを外相に指名したのではない」と述べた。カルカヤニスはまた「キプロス問題は30年に渡って泥沼状態にあり、徐々に深みにはまっている」「どんな方法であっても解決されないよりかはましである」と論じた。
「トルコのキプロス島占領状態が終結してトルコ・ギリシャ両軍が島から撤退し、島での移動の自由が保障され、国際的な保障が得られた場合には、北キプロスのトルコ系国家の承認を基礎とする解決法が、もしかしたらギリシャとキプロスにとってより有益かもしれない」と主張するカルカヤニスは、他方で「ギリシャ系多数派―トルコ系少数派」という図式に基づく問題解決の可能性を「速やかに却下した」ことも表明した。
■ギリシャ系住民を非難
最多発行部数を誇る日曜新聞、トビマ紙の外交担当記者であるヤニス・カルタリスは昨日の記事中で、アナン・プラン(キプロス問題解決のための国連からの計画)の拒否から2年が経過したにもかかわらず、キプロス共和国(南キプロス)が問題解決のための新たなイニシアチブを全く発揮していないことを強調し、「(南キプロスは)EUに加盟したから問題は解決した、という印象を周囲に与えている。バコヤニス新外相はこの状況が続くことを放って置くだろうか」と述べた。カルタリスは「トルコに対し採ってきた政策は何だったのか」と疑問を投げかけ、新外相へ期待を次のように語った。
■「行き詰まり状態解消できるか」
「カラマンリス首相はアンカラ訪問を2回にわたり延期した。バコヤニス新外相は求められる政治的指導力を発揮し、今日の行き詰まり状態を解消できるだろうか」。
イスタンブルを何度も訪れ、2番目の夫とはイスタンブルで知り合ったドラ・バコンヤニスは親トルコ派として知られている。
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( 翻訳者:堀ノ内 夏子 )
( 記事ID:1933 )