ドルマバフチェ宮殿、危機一髪!あわやタンカー事故(Milliyet紙)
2006年02月22日付 Milliyet 紙


爆発すると火の塊になる灯油を積載したタンカー船が、ボスフォラス海峡で故障して操縦不能になった。船はドルマバフチェ宮殿にあと200mのところで止まった。

リベリア船籍で86,000トンの灯油を積載したタンカーが、ボスフォラス海峡を通過する際、舵の故障により、操縦不能になった。錨を下ろしたタンカーがドルマバフチェ宮殿の前で止まったので、悲劇はなんとか免れた。専門家たちは、船が積載していた燃料が爆発したならば、火の塊になって、大きな火災になっていただろうと述べた。
ロシアのケルチ港で積載された85,774トンの灯油をアメリカのコーパスクリスティ港に運ぶために出航したジェンマルスターという名前のタンカーは、昨日、ボスフォラス海峡に入った。操舵手が取っていたタンカーの舵が、15時にボスフォラス大橋の下を通過する際に故障した。タンカーが操縦不能になった状況は、トルコボスフォラス海峡船舶交通センターに知らされ、沿岸警備船舶救助局(KEGKI)のタグボートと緊急ボートが現場に派遣された。
■私たちは無傷で回避した。
しばし操縦不能に陥ったタンカーは、錨を下ろして、タグボートによって引かれながら、ドルマバフチェ宮殿の200m手前で止まることができた。安全を確認されたタンカーは、故障修理のため、消火船2号、3号及び船艇ズュベイデによって、アフルカプ地区に運ばれた。
KEGKI局長サリフ・オラクチュは、事故のため、ボスフォラス海峡の黒海からマルマラ海につながるルートを封鎖したことを表明した。さらにオラクチュ局長は、「この事故は、操舵手の能力のおかげで回避できた。大成功であった。我々は事故を安々と逃れた。」と続けた。
■火の塊のように
化学技師協会イスタンブル支部長ネシェット・カドゥルガン教授は、船が積んでいた石油から作られた灯油は、簡単に火がつきすぐに燃え上がると述べた。カドゥルガン教授は次のように続けた。「火の塊と爆発の原因になる。水より軽く、水と分離する。ひとたび、事故で火がついたなら、危険な火事の原因となる。冬の海は冷たいので、爆発のリスクは軽減する。」
■ドルマバフチェはアッラーが守った。
国家宮殿局長ジェマル・オズタシュは、歴史のある宮殿が海からの危険に対して安全対策を講じていなかったことを明確にし、「ドルマバフチェをアッラーが守った。」と述べた。
この事件が、この種の事故に対する対策のきっかけとなるだろうと述べたオズタシュ局長は、「今日までこのような脅威はまったく話題にならなかった。大きなプロジェクトが必要である。今後この問題について力を入れてく。」と話した。
■毎日危険にさらされている。
・ボスフォラス海峡を1年で約50,000隻の船が通過している。
・これらのうちの4,500隻は、可燃性あるいは爆発性の燃料を積んでいる。
・今日まで、ボスフォラス海峡で、200を越える事故があった。
・この事故の原因は、操舵技術の不十分さ、海峡の地形的構造、潮の流れ、限定された視界、各箇所の条件、船舶の故障と技術不足である。
・統計によると、海峡を通過する10,000隻の船のうち、46隻は衝突、23隻が座礁や停止による事故を起こしている。








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( 翻訳者:新井 慧 )
( 記事ID:1944 )