ヨーロッパへの天然ガス輸送に向け、エジプト=トルコの合弁会社設立(アル・アハラーム紙)
2006年02月17日付 Al-Ahram 紙

■ ヨーロッパへの天然ガス輸送のためのエジプト=トルコ合弁会社設立、ルーマニアとブルガリアが参入を検討中
■ 5カ国のエネルギー担当大臣が来月カイロで天然ガス・プロジェクトの進捗状況を協議

2006年02月17日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【イスタンブル‐アブドゥルハリーム・ガザーリー】

 昨日エジプトとトルコは、トルコ経由でヨーロッパに天然ガスを輸送する合弁会社の設立に合意した。輸送にあたっては、ヨルダンとシリアを経由してエジプトとトルコ結ぶ、現在建設中のパイプラインが用いられる。

 石油・鉱物資源相のサーミフ・ファフミー博士が、イスタンブルでトルコのギュレル・エネルギー相およびルーマニアのシェレシュ経済・通商相と会談した後に公表したところによれば、シェレシュ大臣はこの合弁会社への参入手続きについて今後ルーマニア政府と協議に入るという。この合弁会社にはブルガリアも参入する可能性がある。

 ファフミー石油・鉱物資源相が本紙だけに明らかにしたところでは、同相は一昨夜、シリアのエネルギー相、スフヤーン・アル=ウルール氏に電話連絡をとり、エジプトの天然ガスをヨーロッパへ輸送するプロジェクトの進展について話し合った。この戦略的プロジェクトの進捗状況について、エジプト、シリア、ヨルダン、レバノン、トルコの石油・エネルギー担当大臣による5カ国会議を来月カイロで開催することに合意を得たという。

 また同相は、ルーマニアの大臣が来たる3月の第一週にエジプトを訪問する予定であり、この5カ国会議に参加する可能性があることを示した。

 ファフミー石油・鉱物資源相は、天然ガス・パイプラインはすでにヨルダン北部に到達しており、現段階の中心課題はプロジェクトを商業化することにあると語った。同相によれば、ヨーロッパへの天然ガス販売のマーケティングも担う新会社設立はその一環であり、このプロジェクトは巨大な新市場の開拓を始めとする莫大な経済的利益をエジプトにもたらすものと期待されているという。

 さらに同相は、エジプトは天然ガスを外国市場への輸出だけでなく、諸々の地域開発プロジェクトに利用することにも注目していると強調し、ヨーロッパへの販売が拡大することで地域利用が圧迫されるわけではないとの見解を示した。加えて同相は、エジプト国内の天然ガス・石油をさらに発掘し、戦略的備蓄を確立する努力がなされているとも語った。


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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:1949 )