哲学者ジョン・ロールズに関するセミナーが開催 シャルグ紙
2006年02月25日付 Sharq 紙
2006年2月25日付シャルグ紙32面
【ラフマーン・ブーザリー】《知と哲学研究所》はテヘラン大学文学・人文学部の協力の下、「正義の哲学者:ジョン・ロールズの生涯、作品、思想の研究」と題されたセミナーを、1384年エスファンド月7日(日)(2006年2月26日)に、テヘラン大学文学・人文学部付属のフェルドウスィー講堂にて開催する。
ジョン・ロールズは20世紀最大の哲学者の一人であり、2002年11月24日に81歳の生涯を閉じた人物。ロールズの哲学的営為はホッブズ、ロック、ルソー、カント、ヘーゲル、ミル、マルクスらの影響の下で、正義に関する理論を築くことに捧げられた。彼の最も重要な著作は、1985年に著された『公正としての正義』である。
『公正としての正義』によると、正義の最も合理的な原理とは、公正なる諸条件の下に置かれた諸個人が、彼ら自身に関して互いに合意することである、という。ロールズは正義の理論を、社会契約説に基づいて拡大し、基本的権利や自由に対するリベラルなアプローチ一般を支持する原理を提唱した。そして富の不平等を、権利を最も奪われた人々の福利に貢献する限りで、正当であると認めた。実際、ロールズは《公正としての正義》を、政治的リベラリズムの最も合理的な在り方として提起している。
《知と哲学研究所》はこのセミナーで、ロールズの理論や思想について、研究者らの参加のもと、検討する予定である。セミナーは14時から、セイエド・アリー・マフムーディー氏の講演「正義の理論の構造」を皮切りに始まり、続けてエッザトッラー・フォウラードヴァンド氏がジョン・ロールズの政治的リベラリズムについて、その後アリー・レザー・ベヘシュティー氏が「諸国民の法」について、さらに休憩をはさんでアフマド・ヴァーエズィー氏が「政治に対するロールズの解釈学的アプローチ」について講演する予定だ。
また16時半からは、《知と哲学研究所》のゴラーム・レザー・アァヴァーニー所長が、ロールズの正義論における哲学的前提について論じ、最後にモスタファー・ユーネスィー氏が「ロールズとプラトンの比較研究」について講演を行うことになっている。
また、このセミナーでは、エッザトッラー・フォウラードヴァンド博士の思想・文化の分野での、生涯をかけた多産な貢献に対して、顕彰式が執り行われる予定である。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:1966 )