米国外務省:北キプロスとの貿易は違法ではない(Milliyet紙)
2006年02月26日付 Milliyet 紙

 ブッシュ政権は、アナン計画のもと2004年に実施された国民投票から今日に至るまで北キプロス・トルコ共和国と貿易関係を築くべく一連の試みを行ってきたが、この内容がアメリカの文書公開によって初めて明らかになった。アメリカ・ヘレニック研究所という団体に提出されたこの文書は、ワシントンの南キプロス系団体の反感を買う一方で、外務省は「北キプロスとの貿易は合法である」という趣旨の説明をした。

■文書の内容
 アメリカ外務省のスポークスマン補佐アダム・エレリは、「北キプロスとの貿易は、わたしの知るあらゆる基準に照らしても違法ではない」と話した。恒例記者会見で、アメリカが北キプロスと違法な貿易をしている、と主張したギリシャの新聞記者は、この件に関与した会社のリストと北キプロスから購入した商品のリストを要求した。エレリのコメントはこれを受けてのものである。
 エレリは、同紙の記者による「貿易が違法でないとすれば、北キプロスを国としてなぜ承認しないのか?」との質問に対し、「承認問題における我々の政策の本質は変わっていない」と答えた。
 2004年以来、アメリカ企業と北キプロス間の直接貿易を奨励すべく、アメリカは一連の対策をとってきた。関連文書は、アメリカ・ヘレニック研究所の公式申請を受け、アメリカの「情報公開法」に則り公開された。アメリカ外務省は、北キプロスとの貿易関係開始に関する5つの文書を全面的に、2つの文書を部分的にアメリカ・ヘレニック研究所に提出した。残る4文書は未公開である。
 公開された文書によると、アメリカの全関連部署の共同決議に則り、北キプロスとの直接貿易に関する技術的な準備のため、2004年9月に活動が開始された。ある文書は、ワシントンがまず北キプロスの農作物をアメリカ市場に適合させるよう行動に移ったことを示している。文書では、「アメリカの輸入品規格に合う植物の安全基準を満たすよう活動を開始する」ため、アメリカがアンカラ大使館より北キプロスに農業代表団を派遣したことが明らかにされている。

■「経済制裁には反対」
 文書では、北キプロスに派遣されたアメリカ代表団の任務の一つが、「北キプロス輸出文書を受け入れるというアメリカの政策を、可能な範囲でEU政策と調和を保ちつつ実行に移す」ことであったと書かれている。他にも、代表団の訪問に関して、「これは、キプロスのトルコ人に対する経済制裁を緩和するという国際的取決めを実現すべく尽力していることの証だ」という表現もされている。

■ 一連の活動
 文書ではさらに、「北キプロスとアメリカ間の貿易に障害がある」と書かれている。しかし、この障害を乗り越えるために、アメリカがアンカラとレフコーシャの大使館が非公式な北キプロス代表団を結成したということである。また同代表団がパリにおける国際食品市で「アメリカと業務・貿易をどう行うか?」というテーマのセミナーを含む一連の活動に参加する際、助力をしたことも明らかにされている。

■ アメリカからの輸入
 また別の文書では、「北キプロスビジネス界におけるアメリカ製品輸出のチャンス」というテーマで2004年11月に開催された教育的セミナーが、在南キプロス・アメリカ大使館により直接開催されたことも明らかになった。同文書では、「北キプロスにおける一人あたりの収入は増加傾向にあり、キプロスのトルコ人の消費によって産業製品への関心も高まりつつある。これらの動きと平行して、大使館が予定している諸々の活動によりアメリカの北キプロスへの輸出が10%増大する見込み」であることが強調されている。

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( 翻訳者:井上 さやか )
( 記事ID:1972 )