トルコ、イラク北部クルド自治政府を承認へ(Milliyet紙)
2006年02月28日付 Milliyet 紙
オウズ・チェリッコル・イラク特使は、イラクの各勢力のすべての指導者が集まったバグダッドでの協議の中で、メスード・バルザニ・クルド自治政府首相と会談した。チェリッコル特使は、「クルド自治政府」を承認し、協力する準備があるというトルコ政府のメッセージを伝えた。
ある外交関係者は、イラク議会が招集されていないため、昨年10月15日のイラクの国民投票で認められた新憲法が、依然として施行されていないことを指摘し、以下のように続けた。
「イラク憲法に記載されている「クルド自治政府」は、まだ公式には認められていない。そのため、「クルド民主党の指導者」としてのバルザニ氏と我々は会談した。しかし、イラク憲法は、イラク議会が召集後には施行されることになる。その場合には、この隣国の憲法と、憲法に記された組織を、憲法に書かれた名称で承認せざるを得ない。イラク国民が認めた憲法を尊重するほかに道は無い。」
■キルクーク問題での懸念伝える
PKK(クルド労働者党)との戦いについて、クルド自治政府と交渉が行われると外務省関係者は明らかにし、「我が国の本来の交渉相手は、旧来のように今もバグダッドの中央政府だ。しかしPKK問題を将来、クルド自治政府との間で交渉することもありうるだろう。」と述べた。
「クルド自治政府」をイラク憲法に記載された通りに承認するというトルコ政府のメッセージを伝えたチェリッコル特使は、キルクークの帰属問題でのトルコの懸念をバルザニ氏に伝え、「この問題は、この地で生活するテュルクメン人、アラブ人、クルド人の融和によって解決されるべきである。」というメッセージを伝えたと報じられた。
ジャラール・タラバーニー・イラク大統領とクルド自治政府のバルザニ首相のアンカラへの招待のためには、憲法の承認および政権の発足が待たれる。
イラク憲法の第113条には、「憲法は、クルド自治区およびその地域と自治の権威について、憲法が発効した日付から公式に承認する。」との記載がある。
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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:1984 )