ハマースが組閣に向けアッバース大統領と会談へ(アル・ナハール紙)
2006年01月30日付 Al-Nahar 紙

■ ライス長官、ハマースに対するヨーロッパの断固たる姿勢に期待
■ ザッハール「世界は我々を恐れてはいけない」

2006年1月30日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【ラーマッラー:ムハンマド・ハウワーシュ、諸通信社】

 イスラエルは、水曜日に実施されたパレスチナ立法評議会選挙で勝利したイスラム抵抗運動「ハマース」に対して、厳しい声明を行った。イスラエルのシャウール・モファズ国防相は、もしイスラエル領へ攻撃を再開したならば、ハマースのメンバーを「一掃」すると威嚇した。またハマースがパレスチナ新内閣の組閣に備えてマフムード・アッバース大統領と初の会談をする準備を進める一方、ファタハ中央委員会は候補者リストに公式に推薦された候補に対抗して無所属で選挙に立候補したメンバー76名を除名した。そして、近く行われる予定のアッバース大統領とハマースの会談をひかえて、ハマースの指導部はイスラエルの生存権を認めないという姿勢をあらためて表明しつつも、停戦の用意はあると述べ、またアメリカはハマースにとって敵ではないと確認した。また、ハマース政治局のハーリド・マシュアル代表はダマスカスにてシリアのバッシャール・アル=アサド大統領と会談した。

 アッバース大統領に近い筋が本紙に語ったところでは、アッバース大統領はハマースがその姿勢を改め、パレスチナ暫定自治政府の法的な根本を認めない限り、次の政権には参加しないというファタハの姿勢を支持する意向である。その根本とは、一部は認めて他の一部は認めないといったことが出来ない繋がった一つの鎖であり、その鎖は権利を獲得するための原則としての交渉を認めることから始まるのであり、このことは、抵抗の原理と矛盾するものではない、という。

 同筋によればアッバス大統領はハマースに対し、何が望みなのか、そしてパレスチナ自治政府の法的枠組みから外れるのならば今後どのように現状に対処してゆくのかについて問うつもりであるという。

 また同筋の指摘するところによれば、ハマースは暫定的な国境を有する国家という案に対して承認する可能性があるとのことである。この案についてファタハは、パレスチナ問題を第二のカシミールにするものであるとして拒否している。同筋の見るところイスラエルの単独行動主義的解決策は、イスラエルと交渉する用意のないハマースの立場により近いものであり、パレスチナ・イスラエルの協調関係を承認しない両者の間で傍から見れば相互の接近が生ずる可能性があるという。そして、ハマースの従来の立場から遠いように思われるとしても、ハマースとイスラエルの双方が、相手側と分離する必要性があるとの原則を認める可能性があるという。

 さらに同筋の述べるところによるとハマースは、ヨーロッパやアメリカで穏健派として知られアッバース大統領に近いズィヤード・アブー・アムル議員に次期政権の外相ポスト就任を要請しているとのことであり、同議員がハマースのイメージをイスラム原理主義政党から国民的運動体へと変えることができるかもしれないと期待をかけているという。

(後略)

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( 翻訳者:寺嶋直之 )
( 記事ID:1832 )