紅海上でエジプトのフェリー沈没(アル・アハラーム紙)
2006年02月04日付 Al-Ahram 紙
■ 紅海での大惨事により、乗船者1400人が沈む
■ エジプトのフェリー「サラーム98」が、サウジアラビア沿岸から65キロ地点で沈没
■ 犠牲者の大半はエジプト人
■ 今朝、ムバーラク大統領とサウジ国王が電話会談、捜索・救援に全力
■ エジプト・サウジ海軍の10部隊が捜索・救援活動を継続
■ 沈没の理由は不明、船底でボイラーかエアータンクが爆発した可能性
2006年02月04日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
一昨夜、エジプトのフェリー「サラーム98」が、紅海海域のサファーガ港から90キロ沖合の地点で沈没し、いたましい人的被害がもたらされた。サウジアラビアのドゥバ港を出港したこの船には1415人が乗船しており、うち1212人がエジプト人だった。彼らの大半はエジプト人出稼ぎ労働者の家族であり、新学期が開始する今日にそなえてエジプトに戻る所だった。また117人は外国人、96人が乗務員だった。犠牲者あるいは生存者の正確な数、事故にいたった理由等は判明していない。一部の情報筋は、海軍の部隊とモーターボートが展開し、多くの生存者の救助が行われたと伝えている。(中略)
ホスニー・ムバーラク大統領は自ら捜索・救援活動の推移を見守り、対策を可能な限り万全にすべく、今朝早く、サウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・アブドゥルアジーズ国王と電話連絡を交わした。また大統領は海軍・厚生大臣・地方行政機関に対し、捜索・救助活動を強化し、全力を尽くして生存者の保護にあたるよう指示した。また事故の背景の調査を迅速に行うよう求めた。(中略)
情報筋によれば事故が発生したのは公海上で、水深が800メートルから1000メートルに達することが救援・捜索の努力を困難にしている。またその海域には獰猛な鮫が棲息しているという。
紅海港湾機構長のマフフーズ・ターハ少将は、すでに多くの乗客が船の残骸上で救助され、残りはライフボート上で発見されたと強調した。また事故はサウジアラビアのドゥバ港から65キロの沖合、すなわちドゥバ港とサファーガ港の中間地点で起きたと語り、エジプトとサウジアラビアの軍艦10隻が共同で捜索・救援活動にあたっており、生存者が発見される望みが完全になくなるまで捜索を中止しないだろうと付け加えた。
ターハ少将はフェリー沈没の理由について、おそらく船底でボイラーかエアータンクが原因の予期せぬ爆発が起きたためであるとし、珊瑚礁に衝突した可能性を排除した。沈没が起きた海域には珊瑚礁がないためである。同様に、他の小さな船と衝突した可能性もほとんどない、と語った。
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( 翻訳者:勝畑冬実 )
( 記事ID:1845 )