パワーショベルで力ずく――反対を押し切り黒海沿岸道路の建設再開(Hurriyet紙)
2006年03月12日付 Hurriyet 紙
リゼのフンドゥクル郡で、トラブゾン地方行政裁判所の工事差し止め命令にもかかわらず黒海沿岸道路の建設が再開されたことは、地域住民を決起させた。アクス地区の住民は海岸で記者会見を行い、司法の決定が踏みにじられたと述べた。だが建設作業は記者会見中にも急ピッチで進められた。
フンドゥクル市議会は、沿岸道がアクス地区を横断する際に、海岸を埋め立てて道路を建設するという提案を承認した。トラブゾン文化・自然保護協会も保護対象区域内での道路建設を許可した。だがジルハン・エレン弁護士が提訴した裁判で、トラブゾン地裁はこれらの決定を無効としていた。
■抗議活動起こる
にもかかわらず、道路建設が再開されたことはアクス地区の住民を立ち上がらせた。海岸近くに集まった約50人の住民は、道路建設に抗議した。この抗議活動には、同地区長のムサ・キャーズム・オズチチェキとフンドゥクル市のギュルハン・スレイマンアアオール元市長も加わった。オズチチェキ氏は、第3レベルの保護対象区域であるアクス地区を沿岸道が横断する際に、海岸を埋め立てて道路を建設することを承認したフンドゥクル郡議会の決議と、保護対象区域であるにもかかわらず埋め立てを許可したトラブゾン文化・自然保護協会の決定をトラブゾン地裁が無効としたことを強調した。
■検察に告訴
オズチチェキ氏は、第10地区国道管理局のこの決定に抗議し、関連文書を行政裁判所に提出したと話した。また裁判所が2つの別々の決定を無効とする判決を下したにもかかわらず道路建設が続けられていると指摘する同氏は、フンドゥクルの共和国検察庁に法律違反を告訴したとし、次のように語った。「国道を法律違反者の手に勝手に委ねた者の責任を問うべきだ。次の世代の若者が今の指導者を裁きにかけるだろう。法律、あるいは良心の点から裁かれるはずだ。黒海の海岸が無意味に破壊されようとしている」。
■これまでに下った決定
・2002年に、沿岸道はフンドゥクル市の海岸部を横断する形に変更された。地裁は計画を無効とし、行政裁判所も承認した。
・フンドゥクル市は開発計画を変更し、計画を承認したが、トラブゾン地裁はこの決定を完全に無効とした。上訴審が続いている。
・2005年12月5日に、この地域が保護対象区域から除外された。この手続きの取り消し裁判が続いている。
・埋め立てによる道路建設計画が支持され、省庁も承認した。この決定は棚上げにされた。抗議が続いている。
■パワーショベルはお構いなし
沿岸道の建設は裁判所の停止命令にもかかわらず急ピッチで進んでいる。裁判所の決定に耳を貸さない責任者の指示に従って巨大なパワーショベルが土を掘り返し、海を埋め立て、生態系のバランスをめちゃくちゃにしている。地域住民の記者会見中ですら、パワーショベルは平然と作業を進めていた。
※保護対象区域(sit alanı)については次のサイトを参照:http://tr.wikipedia.org/wiki/Sit_alan%C4%B1
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( 翻訳者:井上さやか )
( 記事ID:2047 )