イスティクラル通りの商店主たちが悲鳴 終わらない道路工事に客足途絶える(Radikal紙)
2006年03月13日付 Radikal 紙
昨年の10月に始まったイスティクラル通り一帯の改修工事は、1300万リラを費やしながらいまだに終了していない。それにも関わらず、今度は敷石舗装作業が加わることになり、近隣の商店主たちの忍耐も限界に達している。商店主のある者は店舗の移転を考え、ある者は従業員不足のまま営業し、ある者は従業員を解雇しないために業務の種類を増やすなどしているが、持ちこたえる力はもはや残っていないと語る。幾人かの店主はこう不安に思う:我々は当局から刑罰を受けているのだろうか、誰もここに来なくてもいいと思っているのか…
タクスィム広場からイスティクラル通りに入りそこからテュネル広場までは、石で舗装された道路の特定の部分が掘削されて石が地面から飛び出した状態になっている。改修工事は目抜き通りにおいてですら終わっていない。バルックパザルとネヴィザーデ街区では岩と石が積まれた山が待ち構えている。何ヶ月も続いているイマーム・アドナン通りの掘削の様子は「悪夢」のようだ。キュチュクパルマックカプ通りでは、ダンプカーが持ち去ったのちに再び運び込まれた小石のことがいまだに議論されている。このような状態であるにもかかわらず、道路の敷石が再び「リニューアル」される、との情報にベイオール全体が不安に陥っている。
■移転を望む書店主
イスティクラル通りの端にある『イスティクラル書店』の店主ズィヤ・アクユルドゥズ氏は、3ヶ月で50%の損失を被ったものの、従業員の解雇は避けていると語る。氏は店舗の移転を望んでいる。「ここでは23人が働いています。テナント料は2万−6万ドルです。この負担をあと3ヶ月以上維持することは不可能です。私が必要とする金額があれば、ここから引き上げます。店主たちの何人かは店を移転させたり、売却したりしました。敷石を地面から動かすこと、店に土が入ってくること、飛び跳ねた石が窓ガラスを割ること、これらにもう我慢できません。」
最も活気のある店のひとつ『ベレケット・レストラン』は、工事のせいで収入を奪われてしまった。ハイリ・テペ氏は1ヶ月の間危機を過ごしてきたため、「リニューアル」について信じることができない。「夏に工事があると、食事を提供する我々のような店は土ぼこりと泥のせいで客を失ってしまいます。私のところでは20%の損失が出ています。通りを一つ入った場所にある店では50−60%の損失になっています。いくつかの店は人手に渡りました。その数はもっと増えるでしょう。」
■「旅行客はもう来ない」
[略]改修工事による最大の被害者のひとつは、アア・モスクとなりの老舗『ハジュ・アブドゥッラー・レストラン』だ。レストランの店主アブドゥッラー・コルン氏は、道路工事と隣の建物の再建工事のため、70%の損失を被ったと語り以下のように続けた。「『前面道路の工事費用は私たちでもちます』と伝えましたが、認められませんでした。そのせいでお客が来なくなり、観光客も来なくなりました。私の所には50人の従業員がいますが、25人分を支払えば営業は続けられます。しかし、払うことができないのです。[略]」
ネヴィザーデ街区の『ケイフィ・レストラン』の店主ムスタファ・ギュレル氏は、バルックパザル街区の工事で客が逃げたと明かす。ギュレル氏によると工事のせいで客はアスマルメスジト街区に移ってしまった。「昔から時々見かけたスペイン、ギリシャ、ドイツ、フランスからの観光客はもういません。工事が続けば、観光客を見ることもできなくなってしまうでしょう。そして、ネヴィザーデ街区の重要度も落ちてしまいます。」
ベイオール商業センターにある『テラス・カフェ』の店主ネジャト・チャンカヤ氏は、1997年に開業した800平米の店舗で働く従業員の数が30人から5人に減ったと語る。「この5人の中には私も入ります。出費に対応するために人件費を削っているのです。これほど困窮したのは9年間で初めてです。」
■「無能な当局」
イスタンブル都市協会のアッティラ・トゥナ会長は、通りの歴史的な価値や経済面での損失が耐えきれない状態に陥っていると考えている。「大都市庁は無能です。計画段階で見通しを立てずに行動に移してしまったのです。通りを掘削する際、道路の下をより深く掘って地下道を通すように提案しましたが、興味を持たれませんでした。石をどれだけ敷き詰めるにしても道路を掘削する必要は生じます。私はベドレッティン・ダランの時代から通りを掘り返す様子を写真に撮影して集めてきました。道路は8回掘り返されましたが、何も変わっていません。工事のために客足が離れてしまいました。」[略]
■ 国産の敷石に張り替えの指示
イスティクラル通りでは10月に最初の工事が始まった。環境整備という名目で通りの170本の街路樹が伐採された。このことで、自然構成が損なわれたという意見、通行がしやすくなったという意見がある。その後、通りには穴を掘るショベルの音が響き、ブルドーザーで石が砕かれた。イスティクラル通りは、1996年の『ハビタット計画』以来の建設現場の状態に戻ってしまった。アクロバティックな身のこなしで泥の海の状態の通りを大股でまたぐ人々の唯一の期待は、大都市庁長官の発言である。イスタンブル大都市庁のカーディル・トプバシュ長官は、新年を祝うためタクスィム広場に市民を呼んだ。新年になり石が敷かれ、工作機械の数も減った。しかし、脇道の風景は同じだった。イスティクラル通りには石が敷かれたが、2月の終わり、トプバシュ長官はこれを望ましくないと述べた。中国産の花崗岩は望ましくないとしてトルコ産のものを使うよう求めた。これは、465万新トルコリラを要する工事を新たに着工することを意味する。最新の状況は以下のようになっている。中国産花崗岩のある場所をトルコ式の舗装道路に置き換える。この第2弾のリニューアルは、以前の工事のような混乱を繰り返さないように手順を踏んで行われる予定だ。トプバシュ長官は、当局が納得するまで請負業者に工事を続けさせると述べた。
請負会社には新たな支払いは行われない。イスティクラル通りの再改修工事は、ギュル建設株式会社が465万新トルコリラ(未課税)で落札し、脇道の改修工事の方は、ギュチュリュ・ペイザージュ商工有限会社が580万新トルコリラ(未課税)で落札した。
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( 翻訳者:高田 利彦 )
( 記事ID:2051 )