ブッシュ政権の第一目標はイランの政権転覆(Milliyet紙)
2006年03月14日付 Milliyet 紙
ワシントン・ポスト紙は、ブッシュ政権がアメリカの外交保障上の最大の脅威とみなしているイランに対し、体制の転換を最終目標とする包括的プランを実行に移したと報じた。
議論を呼ぶ核関連研究文書が国連安全保障理事会で討議されているイランが、アメリカのブッシュ政権にとって国家安全保障上の最重要事項となったことが昨日明らかになった。ブッシュ政権が世論に対し明確な形でイランの体制変革には言及しなかったにもかかわらず、(同紙は)イラン政権のイスラーム指導者体制の転換を目指す、長期間にわたる活動を実行に移したと伝えた。
ホワイトハウスに信頼できる情報筋をもつとされるワシントン・ポスト紙の報道によると、ブッシュ大統領と側近は密室でイランについての協議を重ねたり、イランの専門家を頻繁にホワイトハウスに召致し始めた。ブッシュ政権がイスラーム主義体制を転換する目的で実行を計画していた段階別プランの第1段階として、イラン政権の対抗勢力への支援を増強することや、ワシントンにイラン担当部局を設けること、さらにイランの主張に耳を傾けるためのセンターを開設することが適当だとみなされた。
イラン問題が、ブッシュ政権の1期目にも協議事項に上っていたことを引き合いに出した同紙は、その当時はイランとの対話を重視する勢力と軍事介入を主張する勢力との間で激しい論争が起こったが、今回は軍事介入支持派が優勢となりつつあると伝えた。
■体制転換の第1段階
ブッシュ大統領とその側近がイラン問題に注力していることを示す証拠として、次の展開が挙げられる。
・ブッシュ大統領はここ数カ月、情勢を協議するために30、40人のイラン専門家をホワイトハウスに招いた。
・国務省は先週イラン担当部局を設置した。昨年のイランの専属担当は2人だったが、今では10人に増えた。国務省はペルシア語の教育も増強した。テヘランにはアメリカの大使館はないが、外交官にはイランに関するキャリア形成の道も開かれた。
・ニコラス・バーンズ国務次官は、国務省はドバイやイランの近郊諸国にある大使館に、イラン政府の動向調査に専従する職員を派遣すると述べた。
・NGO団体に対する資金援助や、文化的変革を後押しする方法で、イランで民主主義を推し進めるプログラムが開始された。「ボイスオブアメリカ」がこれまで1日1時間行っていたペルシア語放送は、4月以降1日4時間に拡大され、将来的には終日放送となる見込み。
■イランに第2の原子力発電所
イランは、ブシェール原子力発電所に次いで2番目となる原子力発電所の建設を準備している。
イランのフェタハエネルギー相は、イラン原子力機構のアガザデ長官により2番目の原子力発電所建設プロジェクトが進行しており、プロジェクトを政府も承認したことを明らかにした。フェタハ氏は、発電所の建設は6カ月以内に着手されると語ったが、どこに建設されるかには言及しなかった。発電所は完全にイラン独自の技術を使って建設されると話すフェタハ氏は、建設の目的は必要な電力をまかなうためだと述べた。イラン初の原子力発電所であるブシェール発電所の建設はロシアの協力で行われ、2006年末の完成を予定している。イラン政府は、今後15年間で20基の原子力発電所の建設を計画している。
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( 翻訳者:栗林尚美 )
( 記事ID:2057 )