最新トルコ・ギャング事情:拡大の背景(Milliyet紙)
2006年03月15日付 Milliyet 紙
警察はここ数年で行われた作戦で数千のギャングを検挙したにもかかわらず、田舎の村や町にまでも新しいギャングが現れている。また、学校にさえ姿を見せている。4,5人が集まり、武器を手にしたギャングたち。彼らの「仕事」は麻薬密売から家畜泥棒、人事への介入から偽造、泥棒からひったくり、脅迫から誘拐、高利貸しから恐喝まで広がっている。
■あらゆる街角で
ギャングはかつてはイスタンブルにいるものだったが、今やトルコのあらゆる街角に現れる。子どもたちをアナトリア南東部で誘拐したり金品と引き換えに連れて来て、イスタンブルでひったくりや強盗を強要する子どものギャングまでもが各地で見られるようになった。
特に物売りや出前持ち、ミニバス運転手を狙うギャングは、知事の禁止令にもかかわらず、会費という名目で領収書なしで金を集め、金を出さないものに対し労働を妨害したり、暴行や脅迫をはたらいている。
■家族が脅されている
警察によるとギャングは、名義を変えた請求書を持って負債者のもとへ武器を持った使いを送り込む。負債者の子どもの数、通っている学校、妻が働いていたら妻の職場を知っているとほのめかし、特に妻や子どもを脅迫している。また、近年幼い子どもを使うギャングの数が大幅に増えていることが明らかになった。理由は、子どもは捕まっても刑罰を免除されるからである。
ここ3年間のうちに行われた作戦では、ギャングのボスとともに5千人を逮捕した。しかし事態の沈静化には至らず、新たな集団が出現し続けている。今年の2月までに28県で行われた作戦で45のギャング団が摘発されたことはまさにその表れである。サムスンで今年2月25日に行われた作戦で、殺人、強盗、傷害、発砲といった犯罪行為に関与したムサ・シェンギュンの首謀者を逮捕した。
フェティエで今年3月11日、売春ネットワークが摘発された。多くが外国国籍で、売春を強要されていた29人の女性を救いだした一方、売春のための民宿を借りていたネットワークグループが海上で船において売春を行わせていたことが判明した。
■風を逮捕
その翌日マニサでは「風4」という作戦が実行され、36人について、営利目的での犯罪組織形成、請求書の不法収集、強盗、誘拐、恐喝、ギャンブル、傷害といった理由で逮捕命令が出された。逮捕された29人の中にスアト・アルサン博士と息子のジュネイト・ナスフの名前もあった。
「蛸2ギャング」と名乗り、5つのグループに分かれて活動していたギャングの62人のメンバーも3月に逮捕された。小売人に用心棒料を出させ、強引に請求書にサインさせ、職場や土地の権利を武器で脅して手に入れたり、あるいはギャンブルをさせて借金を作らせたり、強盗、盗難車売買、治安びん乱、小売人の店や車へ強盗に入る、歴史的遺物を密輸するといった罪状で告発された。
ディヤルバクルでは、改変したプログラムを用いてデジタルメーターにインターネット経由で侵入し、電力を無断使用できるようにした28人の組織が一網打尽にされた。首謀者は電気技師のS.D. であった。
■テキスタイル・ギャング
ブルサで5ヶ月前に始められ、アンカラ密輸対策局と共同で行われた作戦で、ギャングのボスとともに、2人の女性を含む32人が逮捕された。彼らの手口は、都市で特に織物業や関連産業に従事する、金銭的に困難な状況に陥った工場所有者の財政上の問題を解決してやるが、しかしその後高い利子を付け、借金のかたに工場を差し押さえるというものである。ギャングの捜査に当たっていた警察は「動員」という作戦で首謀者と目される38歳のアフメト・カラカシュやその手下たちを逮捕した。
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( 翻訳者:塚田 真裕 )
( 記事ID:2062 )