オランダ政府、ムスリム新移民へエロチック容認度試験(Hurriyet 紙)
2006年03月17日付 Hurriyet 紙

オランダは、同国への定住を求めるムスリムに対して、ゲイのキスシーンとトップレス姿の女性を「自然に受け入れること」を定住の条件としてあげた。移住適応テストを受ける移民に配られた『テスト・バッグ』に含まれている2時間のDVDを使って、移住申請者がオランダのリベラルな環境に対して準備が整っているかが試されている。ムスリムは、「テストの目的は教化ではなく挑発だ」と述べて反発している。

オランダ政府は移民規制のために準備された適応テストを先日公布したが、同性愛とヌードを自然に受け入れられるかという条件を急遽そこに入れた。受験する人々のための『テスト・バッグ』には、オランダについて紹介した2時間のDVDが用意されている。映像では、オランダで生活していくためには、同性愛やエロチックな表現を自然に受け入れる必要があると説明している。

オランダにおいて、「人種差別」との批判を受けるきっかけとなった法律は、外国人排斥主義の極右政治家ピム・フォルタイン氏と映画監督テオ・ファン・ゴッホ氏の暗殺後に準備された。法律によれば、オランダでの居住を希望する移民、現在居住している者、オランダ国籍となることを希望する者は試験を受けることになる。

■試験料は350ユーロ

新しい法制度の下では、婚姻によりオランダに移住する人間は、まず本国のオランダ大使館で受ける入国試験をパスすればオランダへの入国と一時滞在の許可が与えられる。受験希望者は350ユーロの受験料を払わなければならない。オランダでの定住希望者とこのテストを受けなければならない人のためには特別授業パックも用意されている。簡素なテキストと映像資料からなるこの授業パックは、64ユーロでオランダ国内でのみ販売されており、オランダへの移住希望者の近親者が購入して移住希望者に送ることもできる。

家族を1つの単位として、オランダへの定住を希望する外国人を「社会への適応を準備させる」目的で実施に移されたこの規制に対し、トルコ人コミュニティをはじめとする外国人たちは反発を示している。トルコ側は、国外で受験を想定しているこの法律は、トルコがEUおよびオランダと結んだ相互協定に違反していると述べた。

■落第者は入国不可

映像には長いシーンに渡り情熱的にキスをする若い男性同士が映されている。また何十人もの女性がトップレスで海岸で日光浴をしている場面が映されている。映像ではその後、オランダの交通事情がよくないこと、国土が常に洪水の危険にさらされていることが説明されている。約30分間かかる口述試験は、語学とオランダの社会構造の2つの部分から成っている。

■欧米人には免除

米国あるいはEUからの移住者は適応テストを免除される。キスシーンの放映が法律で禁止されているイランのような国から来る人のためには、DVD映像の女性の胸の部分はぼかされて流される。


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( 翻訳者:高田利彦 )
( 記事ID:2074 )