イスタンブルのゲジェコンドゥで強制撤去、住民と警察衝突(Hurriyet紙)
2006年03月23日付 Hurriyet 紙

イスタンブル・サルイェルのデルベント地区で市当局によって行われたゲジェコンドゥの強制撤去で、地区の住民と警察の間で衝突が起こった。一日中続いた衝突では、時に石や棒を使った争いとなったが、夕方には落ち着いた。

早朝、警察の応援も受けデルベント地区に向かった市の撤去部隊は、「地区協力組合」の入居するビルの取り壊しに着手した。
この間に集まった住民は、市と警察に対し抵抗を始めた。このため警察は装甲車も投入して催涙ガスを使い、住民を解散させた。約500人に上る住民は、他の場所に集まった後石や棒を使って警察に抵抗した。
警察が日中再度鎮静化させたグループは、森の中に入り治安部隊への投石を続けた。警察により住民は再び鎮圧され、催涙ガスや投石でけがをした住民と警察官は周辺の病院に運ばれた。

■道にバリケード

市の撤去部隊が取り壊した地区協力組合の入っているビルのあるアクギュン通りには、午後になって再び集まった住民グループが板やタイヤを使って道にバリケードを築いた。機動隊支部の装甲車がバリケードを壊そうと動き出すと、住民は治安部隊に投石した。このため装甲車はバリケードに近づくことができないまま後退した。
ペッパーガスを用いて再び介入した警察は、住民を解散させることに成功した。しかしまたすぐに住民は集まり、バリケードの近くでスローガンを掲げて居座った。衝突が起こっている間、マスラック・メサ住宅では抵抗する住民たちによって家のガラスや団地の柵が壊された。
警察は夕方になってデルベント地区を統制下においた。アクギュン通りに築かれたバリケードを機械と装甲車を使って撤去した警察は、路地に逃げ込んだ住民をしばらくの間追跡した。警察の応援により、市は朝方取り壊しかけたものの衝突中に住民によって再び修復されていた地区協力組合のビルを完全に取り壊した。
衝突の際、警察官4人が投石により頭などのけがをした一方、住民数人と報道関係者もペッパーガスを吸ったことが明らかになった。この衝突で、警察に石を投げたり抵抗した38人が逮捕された。
 
■児童16人が病院へ
 
警察が使ったペッパーガスを吸い込んだ児童16人が病院に搬送された。タラブヤ・ジュムフリイェト地区のオクル通りにあるファフレッティン・アスラン小学校の児童の数人が、学校に着いてから吐き気や頭痛、目の痛みを訴えた。
このため同校のユヌス・ギョズジュ副校長は、警察と住民が衝突していたデルベント地区を通ったため警察が使ったペッパーガスを吸い込んだと思われる生徒のため救急車を呼んだ。
学校に到着した救急車は16人の児童をサルイェル教育研究病院に搬送した。治療を受けた児童は、健康面に問題は無いことが明らかになった。

参考:ゲジェコンドゥ(gecekondu)は、他人の私有地や公有地に許可を得ないまま建てられた不法建築のトルコにおける総称。ゲジェコンと略すこともまれにある。名称の由来は夜(gece)建築した(kondu)というもので、本来は文字通りの意味で、一夜にして建築したかのような非常に粗末なバラックを指すものであったが、現在では建築業者が施工した鉄筋コンクリート建ての建築物もごく普通に見られる。このためゲジェコンドゥの密集地域は、トルコ以外でのバラック集落やスラム街のようなものとはかなり様相が異なる。また、個人の住宅だけではなく、商業施設・工業施設もゲジェコンドゥの概念に含まれる。(フリー百科事典Wikipediaより)



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( 翻訳者:住永 千裕 )
( 記事ID:2104 )