アメリカ参謀本部長、PKK問題解決でトルコ政府との協働を強調(Milliyet紙)
2006年03月25日付 Milliyet 紙

 イラクのPKKとの闘争に関してトルコに慎重な対応を望むアメリカ統合参謀本部議長のピーター・ペース大将は「我々はトルコ政府と共に戦うことを決意している。だが、これは単純な解答がある問題ではない。もし単純な問題であったなら、トルコ政府は30年間も戦うはずがなかった」と語った。
 参謀司令本部の主催でビルケントホテルで催された“地球規模のテロリズムと国際協力”のシンポジウムが昨日終了した。
 「知られているように、イラクに武装したPKKがいる」とペース大将は述べ、「われわれはテロ組織PKKの存在を受け入れることはできない」と語った。

■反PKK同盟

 ペースは、イラク・アメリカ・トルコはPKK問題に一丸となって立ち向かうと述べ、次のように続けた。
「トルコ・アメリカ・ヨーロッパの政府間において新たな政策が持ち上がっている。PKKを弱体化させる目的で進められている活動があるのだ。イラクで治安が安定した後、トルコ・アメリカ・イラクはPKKに対してより物理的
な手段を講じうる。過去に何度か誤解は生じたが、両国が相互に持っている決定的な重要性や、共有している価値によって、正しい道を見つけることができるだろう。」
 シンポジウムで「テロとの戦いにおける武力使用とその役割」という報告を行ったペースは、「PKKの資金源を断ち切り、国外からの支援に歯止めをかけるといった対策に奔走しているところだ。トルコとオズキョク参謀総長がテロとの戦いを先導して下さっていることに感謝したい」と述べた。

■謝罪らしき表現も
 
 「テロの問題における共通の恐怖が何なのかを確定する必要がある」と述べたペースは、スレイマニイェで起きた、トルコ兵の頭に袋をかぶせた事件に関しては以下のように述べた。「全く不運なことだ。誤解である。そのようなことは全く起こらなかったと願っている。事実に基づいていない映画「狼の谷―イラク」はトルコ・アメリカ間関係に悪影響を及ぼすことはない。」

■チチェック「この件で力のほどを自覚する」

 参謀指令本部議長ヒルミ・オズキョクは、シンポジウムの閉会挨拶で「トルコとアメリカが、まるで一つの頭脳を共有しているように思考し、一つの心臓を共有しているように互いの痛みを心から感じ、一つの拳のように団結してテロに最後の一撃を与えることができたその日が、われわれの勝利記念日となるのだ」と述べた。
 法務大臣ジェミル・チチェキは、自由討議の部で発言し、ペースのPKKに関する考えを「そう思ったとおりになるものではない。この件であなた方は力のほどを自覚することになるだろう」と批判した。チチェキは「PKKがテロ組織であることを理解するためにどれだけの死人が必要なのか? すぐそこにトルコ軍リハビリセンターがある。国際団体が真っ先に行ったことは追悼だ。私は今までに80の団体代表の訪問を受けた。容疑者の権利以外は目に入らないのだ。それはかまわないが、被害者はどうなるのか? 誰もが刑務所のことを尋ねてばかりで、殉職者の家族を訪問した者はいないのだ」と語った。


Tweet
シェア


現地の新聞はこちらから
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:藤巻 晋也 )
( 記事ID:2111 )