映画のような逮捕劇 -トルコ警察、42キロコカイン密輸で5人逮捕(Milliyet紙)
2006年03月02日付 Milliyet 紙

南アメリカからトルコまで運びこまれようとしていた42キロのコカインは、トルコ警察の息を呑むような逮捕劇で押収された。白い薬物の売人たちは一網打尽にされた。

南アメリカからトルコまで延びていたコカイン密輸ルートは、イスタンブル警察の3カ月に及ぶ、映画のシナリオさながらの国際的作戦で絶たれた。ペルーから42キロのコカインを積んでやって来た船に対して作戦を実行するため、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相が指示を出し、2隻の戦艦も事態に備えた。コカインを積んだ2つのコンテナは、外務省の働きかけにより(軍艦の)介入の必要なくハイダルパシャ港に運ばれた。そして、熱帯産の植物の中に隠された未精製のコカインが押収された。

■最も多い量
イスタンブル警察が一度に押収したコカインの量としては最も多かったという、この「ステーション」作戦に関して、イスタンブル警察のジェラレッティン・ジェラフ署長が麻薬取締局で会見を開いた。ジェラフの発表した内容によると、作戦は次のように行われた。

・麻薬取締部隊は、“袋屋”と呼ばれる路上の麻薬密売人に対して行った捜査から、彼らがコカインをメフメト・カパンオールから入手していたことを突き止めた。その後、コカインを市場に流していたグループを追跡した。

・警察は、カパンオールがしばしばボリビアやコロンビアを訪ねたり、電話をかけていることを確認した。その後、科学的追跡調査が始まった。麻薬の密輸業者は、ボリビアに材木という暗号でコカインの注文を行っていた。そして、一人の麻薬密輸業者がボリビアに向かったため、警察も後を追った。

・ボリビアで購入された麻薬は、材木の中に隠されて2005年12月12日に、陸路でペルーに運ばれた。その後2つのコンテナに積まれたコカインを運ぶ船は、2006年1月19日、西アフリカのガンビアのバンジュール港に到着した。

■デンマーク国旗を掲げた船
・密輸業者達はここでコンテナが目立たないよう、ガンビアのものに偽装した。

・2006年2月8日、7000個のコンテナを積んだ、350平方メートルの大きさのデンマーク国旗を掲げた船は、イランのバンダール・アッバース港に向けて出発した。船はまずスペインに立ち寄り、その後イタリアで荷を降ろした。

・コカインを積んだ船を追跡する一方、警察はトルコの領海を通過しないこの船に積まれたコカインを押収すべく各方面への働きかけを行った。まず内務省に連絡を取った。アブデュルカーディル・アクス内相もエルドアン首相、アブドゥッラー・ギュル外相、ジェミル・チチェキ法相にこの件を伝えた。参謀本部長のヒルミ・オズキョク将軍にも事件が伝えられ、公海上で船に捜査が行えるよう支援が求められた。マルマリスのアクサス基地では、2隻の戦艦が地中海でデンマーク船に対し作戦を行えるよう準備した。

・デンマークとも交渉が行われ、国際法上認められた法的権利を主張したところ、(公海上での)船への捜査が認められた。デンマークの政府高官も、船への軍事介入を行わないことや、疑わしいコンテナがあればトルコに運ぶことを明らかにした。

・トルコが提供した情報に従って、2つのコンテナは、輸送会社を通して地中海で別の船に積みなおされ、イスタンブルのハイダルパシャ港に運ばれた。

・警察は、2月25日にハイダルパシャ港で材木を積んだコンテナの中に隠された包みを発見した。警察関係者は、未精製のコカインは、1キロ当たり4万ドルにもなることを明らかにした。

■5人を逮捕
・警察はコカインを押収するやいなや、イスタンブルとハッキャーリで場所を突き止めた5つの住居への捜索を決行し、密輸業者組織の首謀者とみられるカドゥリ・ユルドゥルム、ラマザン・コジャカヤを含む9人を逮捕した。容疑者は犬を放って警察に抵抗したが無駄であった。ディヤルバクル・リジェ郡出身のユルドゥルムは、イスタンブルのラーレリにホテルを所有していることが判明した。

・事情聴取を終えた容疑者のうち、メフメト・カパンオール、カドゥリ・ユルドゥルム、ラマザン・コジャカヤ、ハサン・カプラン、ムスタファ・ジェンギズ・オズチュルクの5人が投獄された。

イスタンブル警察のジェラフ署長は、「このコカインは海外から中東を経由してトルコに運び込まれようとしていたものだった。未精製のコカインは、使用するのにいくつかの成分を足さなくてはならない。他の成分を混ぜることで、市場に流されるコカインの末端量は100キロに達するところだった。作戦は完璧に実行された」と語った。

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( 翻訳者:田林 玲 )
( 記事ID:1993 )