■ ナジャーフ・アル=アッタール氏がシリア副大統領に
2006年3月24日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
【ダマスカス:シャアバーン・アッブード】
シリア国家の歴史上、1963年のバアス党政権樹立以来初めて、シリア共和国副大統領の要職に女性が任命された。バッシャール・アル=アサド大統領は大統領令によりナジャーフ・アル=アッタール元文化相を副大統領に任命した。大統領の指示にもとづき文化政策を担当することになる。
アッタール氏は大統領の前で法律にのっとって宣誓を行った。シリア国営通信「サナ」が発表した大統領声明によると大統領は同氏を出迎え、「アッタール氏に助言を与え、新たな役職における活躍を期待する」と述べた。
アッタール氏は「ムスリム同胞団」幹部として知られるイサーム・アル=アッタール氏の妹であるが、今回の快挙は氏自身の経歴と、イサーム氏とは異なる政治的立場によって政府内に占めてきた地位によるものである。
この[初の女性副大統領任命という]一歩は、シリア国民に肯定的な反応をもって受け入れられた。とりわけアッタール氏は、1976年から2000年のおよそ四半世紀にわたり文化相としてシリアの文化的状況改善に多大な努力を積み重ねてきた。
これに関して「シリア婦人連盟」の活動家サバーフ・アル=ハッラーク氏は、「この一歩は、国連が世界女性の日に際して、女性が決定権のある地位に就く必要性を確認したことに沿うものである」と述べた。
また、「この決定はシリア人女性が例外なく全ての役職に就く能力があるということを確かにした。しかしこれは、いまだシリアに存在する女性差別的な法律に対する更なる措置を伴わねばならない。それは女性が国の包括的な発展プロセスに寄与できるようにするためである」と指摘した。
アッタール氏は由緒ある学者一族に属しており、父は詩人であり著名な法律家かつ文化人であった。学生時代からアラブの祖国への占領に対する闘争やパレスチナ問題への支援活動に参加した。
夫であるマージド・アル=アズマ博士とともにイギリスで学び、1956年にイスラーム研究の学士号、1958年に文学博士号を取得、その後も国際関係や文学評論、芸術評論の分野にわたる複数の学士号を取得している。
作家連盟執行部委員と芸術・文芸保護高等評議会の委員を務め、詩、小説、演劇についての評論を執筆し、文学、評論、政治その他の分野に関する多くの著書がある。
この任命によって、シリア大統領にはファールーク・アル=シャルウ氏、ナジャーフ・アル=アッタール氏という二人の副大統領が付くことになる。アサド大統領は去る2月11日にシャルウ前外相を副大統領に昇格させていた。副大統領の地位は約3ヶ月前(今年1月)にアブドゥルハリーム・ハッダーム前副大統領がバアス党を脱退し体制との決別を発表した後、8ヵ月間にわたって空席であった。
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( 翻訳者:玉井葉子 )
( 記事ID:2137 )