欧州人権裁判所、トルコでの諸団体の旅行の制限に対し違法判決(Milliyet紙)
2006年03月03日付 Milliyet 紙

欧州人権裁判所は、欧州諸国では諸団体がトルコのような管理体制下には置かれていないと明言し、「諸団体の活動内容を理由にして、旅行の自由を制限することはできない」ことを表明した。

欧州人権裁判所は、トルコに関して和解判決1件、補償金判決2件を含む4つの訴訟に対し、判決を言い渡した。同裁判所は、グリーンピースの活動に参加するために1994年に(トルコを)出国する際、団体法により必要となる内務省からの許可を取得しなかったために、3ヶ月の禁固刑に処された良心的兵役忌避者達に対し旅行の自由が制限されたという理由により、補償金が支払われるよう判決を下した。

同裁判所が下した判決では、どの欧州諸国も、諸団体の活動を管理する目的でトルコと同様の行動はとらないことが指摘された。判決では、問題となった(トルコ団体)法の判決が、欧州人権条約が取り決めた団体・結社の自由に関する条項に反するとされた。トルコ政府にとって先例をつくることになる判決では、さらに次のように言及された。「良心的兵役忌避者達が国際的プロジェクトとして開催した会議は、平和的な目的によるものであったという件に関しては議論の余地がなかった。また、既存の体制に反して平和的に表現される政治思想は、団体・結社の自由とその他の法的手段によって、民主的な社会では表現されうるだろう。」

■5,500ユーロの罰金
欧州人権裁判所は、この判決の最後に、旅行の自由が制限されたという理由でトルコ政府を訴えた、イズミル戦争反対協会の旧メンバーであるオスマン・ムラト・ウルケとアリ・セルダル・テキンに対し、それぞれ1,500ユーロの慰謝料と4,000ユーロの裁判費用を支払うようトルコ政府に命じた。

■キュチュク教授と和解
クルド問題に関する記事のため、1997年に重罪裁判所へ変更された国家治安裁判所により懲役3年に処されたヤルチュン・キュチュク教授が、正当な判決と表現の自由の侵害を受けたとして訴訟を起こした。欧州人権裁判所は、トルコ政府が6,450ユーロの補償金を提示したため、「友好的解決」の方向で判決を下した。裁判所は、トルコ政府に対して正当な判決と表現の自由を求めた訴訟において、キュチュク教授とトルコ政府が和解に合意したと述べた。

また裁判所は、別の訴訟において、クルド労働者党党員を助け匿ったとして逮捕されたエルカン・ブルトは証拠不十分であることから、罰金の支払義務はないとの判決を下した。現在ドイツ・デュッセルドルフ市にて政治難民として暮らしているムラト・デミルにも、人間性を超えた扱いを受けたとの陳述により、17,500ユーロの補償金が支払われるよう命じた。



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( 翻訳者:幸加木 文 )
( 記事ID:1998 )