ヴァン検察庁、シェムディンリ爆発事件の起訴状でビュユクアヌト陸軍大将を告発(Milliyet紙)
2006年03月05日付 Milliyet 紙

 ヴァン検察庁は、ハッキャーリのシェムディンリで11月9日に起きた本屋に向けた爆発事件にかんする起訴状を作成した。起訴状では、事件の容疑者として逮捕され裁判にかけられているアリ・カヤ下士官に対し、「彼のことなら知っています。良い青年です」と語ったヤシャル・ビュユクアヌト陸軍大将が「司法に影響を及ぼそうと企てた」理由で告発された。
 「深層国家」問題の原因となったシェムディンリの爆発事件にかんして、ヴァン検察庁が作成した起訴状には、意外にもビュユクアヌト陸軍大将の名もあった。
 起訴状を作成した検察官フェルハット・サルカヤは、一定期間ともに任務を遂行したことのあるカヤ下士官のために「彼のことなら知っています。良い青年です」と語ったビュユクアヌト陸軍大将を「裁判に影響を与えようと企てた」理由で告発した。

■ オズキョクの許可が必要
 サルカヤ検察官は、ビュユクアヌト陸軍大将にかんし、「懲戒免職処分」の決定を下し、書類を軍人に対する捜査を行う参謀将校軍検察庁に送った。検察庁は、ヒルミ・オズキョク参謀本部長官のビュユクアヌト陸軍大将取り調べ許可によって、訴訟を起こか放免決定を下すことになる。ビュユクアヌト陸軍大将は、世論に大問題を引き起こした発言の後に、「罪なのか、そうではないのか、捜査の成り行きを見守る必要がある、と私は言ったのだ」と説明した。

■ 下士官がシェムディンリにやってきた理由
 数多くの目撃証言がならぶ起訴状では、特に、逮捕され裁判にかけられているアリ・カヤやオズジャン・イルデニズ下士官の違法な諜報活動についても記述されている。彼らは本屋の所有者である元PKK(クルド労働者党)党員セフェリ・ユルマズにかんして諜報活動を行いつつ、PKKからある包みを受け取る、との情報をえて事件調査のため11月7日にシェムディンリへやってきたとされている。

■ 彼らに終身刑を
 起訴状では、カヤとイルデニズがのち11月9日にも公式任務で派遣されたシェムディンリには、ユルマズ殺傷の目的で集まった、と書かれている。そして、爆発事件を2人の下士官の提案で証人ヴェイセル・アテシが行わせた、と続いている。「国家統一の転覆」、「法的秩序に対する犯罪行為目的の計画的行動」、「殺傷の企図」という罪で、起訴状では下士官への終身刑が求められている。

■ 司令官は任務を悪用
 さらに、起訴状によれば、下士官らの行った違法な諜報活動のために、長官らの情報を得られなくなっているという。ヴァン公安のセラハッティン・ウーウル陸軍中佐、ハッキャーリ山及び指令団のエルダル・オズチュルク准将、ハッキャーリ連隊のエレリ・クバット大佐が、下士官らに「違法の諜報」活動をさせ、「任務を悪用した」とされている。司令官らにかんする書類も、「懲戒免職」決定により、軍人に対する捜査を行う参謀本部検察庁に送られた。


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( 翻訳者:井上 さやか )
( 記事ID:2009 )