ライス国務長官がエジプトを訪問(アル・アハラーム紙)
2006年02月23日付 Al-Ahram 紙

■エジプトと米の強固な関係は見解の相違も許容する
■大統領府報道官:「わが国の決定は独自になされる。アメリカはエジプトが根本的な変化を遂げたと認めている」
■ライス米国務長官:「ムバーラク大統領との会見は素晴らしかった。QIZ議定書に関する議論も良好だった」

2006年02月23日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

 エジプトとアメリカは全ての課題において常に見解が一致するわけでないが、それが許容されるほどに強固で幅広い関係にあり、アメリカ側からいくつかの否定的な声明が出されている一方で、エジプトおよび強固な両国関係、中東地域の安定と平和の実現において欠くことの出来ないエジプトの役割などを前向きに評価する声明も出されていることが確認された。

 ホスニー・ムバーラク大統領は昨日、中東歴訪の一環としてのエジプト訪問を終えようとするアメリカのコンドリーザ・ライス国務長官と随行団を迎えいれた。

 スライマーン・アウワード大統領府報道官は、エジプトの政策決定は国内でなされるのであって、協力国からの助言は重視するものの、他国に押し付けられることはないとの声明を発表した。

 また、アウワード報道官はアメリカとの関係は戦略的なものであることを指摘したが、国際関係はあらゆる状況において、すべての立場・課題に対し見解が一致することによって成り立っているわけではないと述べた。

 アウワード報道官によればアメリカ側はエジプトが経た根本的な変化を認めており、ブッシュ大統領とライス国務長官は「エジプトには中東地域の改革を牽引するのにふさわしい能力があり、和平への道のりにおいても地域をリードしてきた」と語ったという。

 また同報道官は、エジプトに対して否定的な評価を与えているかに見えるアメリカの声明にばかり目を向けるのではなく、エジプトの中核的な役割を肯定する声明が出されていることにも目を向けるべきであると指摘した。

 さらに、「この先も和平への扉が閉ざされることがないようムバーラク大統領が中東の和平プロセスに対して払ってきた努力を、ライス国務長官は賞賛した」と語った。

 またアウワード報道官は、パレスチナ立法評議会選挙の結果に関連して、ムバーラク大統領が改めて、選挙によって選ばれた正統な大統領であるパレスチナのマフムード・アッバース大統領への支援の継続の必要性を強調したことを明らかにした。

 ムバーラク大統領は、支援を阻止したり、パレスチナ人民と自治政府が受け取るべき税金や関税の送金をイスラエルが差し止めるといったような、パレスチナ人民に対する集団的制裁と受け取られかねない行為は避けられねばならないと強調した。

 またハマースが幾つかの原則を放棄するための仲介をエジプトに要請したかどうかについて、アウワード報道官は「エジプトは国際社会の中でも中東和平の当事者すべてとの対話の鍵を手にしている数少ない、唯一とさえ言える立場にある。パレスチナ側については自治政府・ハマース・その他の政治勢力と連絡があり、イスラエル側についても同様である。さらに国際的にも中東和平四者委員会や、その他の主要プレーヤーと連携している」と述べた。

 一方、ライス国務長官はムバーラク大統領との会見を「素晴らしいものだった」と評した。

 ライス国務長官は「QIZ議定書(the Qualified Industrial Zones Protocol)に関するエジプトとの対話は大変良好だった」と語ったが、「画期をなすであろう」と同長官が評したところの自由貿易協定については、交渉の開始時期を明確にしなかった。


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( 翻訳者:村山誓一 )
( 記事ID:2021 )