アメリカには新たに軍事行動を起こす余力はない:モッタキー外相 シャルグ紙
2006年04月10日付 Sharq 紙
2006年4月10日付シャルグ紙5面
【ISNA(イラン学生通信)】イラン外相は、今日イスラーム諸国ではアメリカの政策に対して激しい嫌悪感が生まれていると指摘した上で、「アメリカは、新たな軍事的措置を講ずる状況にはない」と述べた。
マヌーチェフル・モッタキー外相はスイスのBerner Zeitung紙との会見で、「エネルギーの安定供給は全世界にとってきわめて重要であると、われわれは考えており、石油の輸出に関してさまざまな国と交わした約束は今後も守り続けるつもりだ」と述べた。同外相はさらに、「ペルシア湾の石油タンカーの航行路を封鎖するつもりはない。我が国は27年間にわたり、アメリカによる種々の制裁下に置かれてきたが、今ではどのようにして制裁に対処したらよいのか、よく学んできた」と付け加えた。
モッタキー外相は「イランはアメリカによる軍事攻撃を恐れてはいないのか」との問いに答えて、次のように述べた。「アメリカ政府は、もう一つ別の困難かつ負担の多い危機を作り出し、それを同国の納税者の肩に強いることができるような状況下にはない。それゆえ、われわれはアメリカが新たな軍事的措置を追求しているとは考えていない」。
同外相はさらに続けて、次のように述べた。「われわれはつねに、地域においても、アメリカ、さらにはシオニスト体制に対しても、理性を保って行動してきた。その一方で、アメリカに対する特にムスリムたちの嫌悪感が、今日ほど高まった時代は、歴史上かつてない。それゆえ、アメリカがもう一つ別の軍事攻撃を地域において挙行することなど、不可能だ」。
同外相はイランによる核の平和活動に関して、「われわれはNPTの枠組みにおける自らの諸権利について、熟知している。核技術の平和利用に関するわれわれの権利も、その一つである。われわれはこの権利を手放すようなことはない」と強調した上で、さらに次のように力説した。「われわれは一時、自らの核活動を暫定的に停止したことがある。それは核活動の透明化を図るためであった。しかし残念ながら、われわれの交渉相手国からは、何ら建設的な動きが見られなかった」。
モッタキー外相はその上で、「IAEAの規定によれば、加盟国は自らの全核活動を事前に表明しなくてはならない。われわれがこの規定に違反したことは、決してない」とし、さらに自らの核問題の解決へ向けた我が国の努力について、次のように続けた。「われわれはこれまで、多くの提案をしてきた。ジュネーブ軍縮会議では、IAEAによる厳格な監視の下で、地域諸国が平和利用のための核技術をともに享受するためのコンソーシアムを結成してはどうか、との提案をしたことすらあった」。
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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2194 )