ギリシャの通信衛星ヘレサットの活用でトルコとギリシャが提携 (Hurriyet紙)
2006年04月14日付 Hurriyet 紙

トルコとギリシャの間で興味深い提携が実現する。ギリシャの人工衛星ヘレサットの空き容量のマーケティングをトルコが引き受ける予定だ。これにより、ギリシャ、トルコ双方がヘレサットから収益を上げることができるようになる。


トルコの人工衛星事業を手がけるチュルクサット社が、ギリシャの通信人工衛星ヘレサットの未使用分トランスポンダー(自動応答機※)をマーケティングする。トルコとギリシャの通信衛星事業者の提携により、ヘレサットのトランスポンダーの空き容量分が埋められ、チュルクサット社はヨーロッパ向けの顧客企業の要望に対応できるようになる。チュルクサット社のオスマン・ドゥル社長は、トルコの人工衛星の利用を多くの企業が希望しているが、そのうちの幾つかには対応できずにいたと明らかにした。

■チュルクサットには余裕なし

ドゥル氏は、(トルコの)人工衛星チュルクサット2Aのトルコおよびヨーロッパ向け通信をカバーするトランスポンダーが満杯で、トルコからヨーロッパへの放送を希望するテレビ局への割り当てに苦労していると説明し、ギリシャから来たオファーに従ってギリシャの人工衛星事業者と会談を持ったと述べた。

ドゥル氏は、「提携を行い、先方の持つ空き容量を我々が買い取って賃貸しすることが可能になります。買い取った空き容量のヨーロッパ・マーケットへの投入に努めます。トルコ・ヨーロッパ向けの我々の容量は満杯なため、トルコとヨーロッパのマーケットで放送を希望する顧客に向け、ギリシャの人工衛星の空いているトランスポンダーの容量を貸し出します。」と述べた。

ドゥル氏は、ギリシャの人工衛星事業者と交渉を重ねてきたと述べ、この提携によってヘレサットに残っているトランスポンダーの空き容量が埋められ、チュルクサット社が自社のトランスポンダーを貸し出すことなしに収益を上げることになると述べた。通信衛星ヘレサットはヨーロッパ、トルコ、さらに中東の一部をカバーしているとドゥル氏は説明し、ギリシャの人工衛星事業関係者との交渉が奏功したと強調した。

■「提携は効果的」

ドゥル氏は、人工衛星チュルクサット2Aのヨーロッパ向けのトランスポンダー容量が満杯であるのに対し、中央アジアおよび中東地域向けでは、一部のトランスポンダーに空きがあると説明し、これらの地域で放送を行う予定のチャンネル局と交渉を続けていると語った。ドゥル氏は、世界中の人工衛星事業者と会談を持ち、「誰が人工衛星を必要としているか、どこの人工衛星の寿命が終わりそうか、どこの人工衛星に空き容量があるか」というような情報に神経を尖らせていたと述べ、ギリシャのヘレサットの情報も熟知していたと述べた。

「世界の人工衛星事業者との提携は効果的です。人工衛星は高価な部門です。」とチュルクサット社長のドゥル氏は述べ、「この興奮が続き、先見的な視野が広がれば、トルコは、世界の人工衛星と宇宙テクノロジーの勢力図で、最も有力なプレイヤーの1つとなるでしょう。」と述べた。


【 参 考 】
※トランスポンダーのイメージ:
http://www.marubun.co.jp/product/aero/space/qgc18e00000004yv.html


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( 翻訳者:高田利彦 )
( 記事ID:2206 )