農地不足でイラクが農産物の主要輸入国に(サバーフ・ジャディード紙)
2006年03月24日付 al-Sabah al-Jadid 紙
■ 農地不足でイラクが農産物の主要輸入国に
2006年3月24日サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP経済面
【バグダード:アスワート・アル=イラーク通信】
戦略的開発計画によると、イラクは人口の急増や農業に適した土地が限られていること、や農業生産の停滞などが原因で国内需要をまかなうために輸入に依存するようになり、農産物の主要輸入国となっている。
独立系の「アスワート・アル=イラーク」通信社が入手した[国家開発戦略]計画の概要は農業部門について述べている箇所で、同部門の弱体化にもかかわらず農業はイラク経済に不可欠の要素であることを強調している。
同計画は、人口の急速な伸びと農業に適した土地が限られていること、そして農業生産活動の停滞が国内需要をまかなうために次第に輸入に依存するようになった要因であり、それによりイラクは農作物の主要輸入国になったことを指摘した。
計画省が今後三年間に実施するために作成した国家開発戦略計画の摘要は、2002年には多くの主要作物の輸入率が80%から100%に達したことを明らかにしている。
また、イラクの国土面積が4370万ヘクタールで、そのうち3400万ヘクタールが現状では農業に適しておらず、残りの約950万ヘクタールが農地として利用されているが、その半分は家畜の季節放牧地としてのみ使用されている。
さらに同計画の概要は「さらに社会資本は保全の悪さに喘いでおり、広い面積の畑地に塩害が広がり、家禽や家畜の数も大幅に減少した...そのため、イラクは今後数年間は輸入に依存し続けるだろう」と続く。
しかし、同概要はそれに続き、イラク経済が活力を取り戻したあかつきには市場の力や国際競争がイラクの農業が進むべき道を決めるだろうと説明している。
また同概要は、イラクの農業は国内の食糧需要に応えることが困難である時期を迎え、世界食糧計画(WFP)に頼ることになるだろう...今後3ヶ月で200万トンすなわち170万ドル分の食糧を輸入する必要があり、これはWFP設立以来40年の歴史で最大の量であると指摘している。
また、国家開発戦略計画はこのような変化によって、イラク総人口の3分の2を超える1600万人のイラク人が完全に食糧援助に依存するようになるだろうと付け加えた。
同概要はイラクの農業部門に関する指摘を、イラクの農業を発展させるための研究材料を集めるのに役立つ情報が必要である、と締めくくった。
同計画はさらに、市場の力に頼り、農地と水資源を回復させることから始め、計画や予算配分を上手く行うことのできる農業機関を組織し、さらに世界的な農業研究機関や民間部門との結びつきを提言している。
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( 翻訳者:村山誓一 )
( 記事ID:2143 )