外務省報道官:中国、ロシア、欧州との協議は結果が出るまで継続 ハムシャフリー紙
2006年03月16日付 Hamshahri 紙

2006年3月16日付ハムシャフリー紙政治面

【IRNA】ハミード・レザー・アーセフィー外務省報道官は、IAEAの枠組みでイラン核問題を解決することで、ロシア・イラン政府間で合意したと発表した。

 同報道官は昨日、今年最後の報道陣との会見で〔イラン暦では3月21日が正月となっている〕、火曜日(3月14日)にモスクワで行われたイラン・ロシア両政府間の協議に言及して、次のように述べた。「この協議は、良いものであった。双方が各々の考えを明らかにし、イラン核問題はIAEAの枠組みにおいて解決されるべきとの合意に達した」。

 同氏はまた、イランは目下、中国とロシア、欧州と協議中であると強調し、次のように話した。「これらの協議と会談は結果が出るまで継続する」。報道官はまた、イラン核問題に関して安保理事国間で意見の相違が見られる点を指摘し、「アメリカは安保理事国に圧力をかけるべく励んでいる」と話した。さらに、「アメリカは危機を生じさせ、IAEAと欧州、ロシアの各国の努力が失敗であったことを示そうと目論んでいる」と述べた。

 同氏は、核の平和利用の技術の獲得のためにイランの権利を守ることは、イランの権利を守る以上に、IAEAの権利を守ることでもあるとの見解を示し、次のように述べた。「中国、ロシア、その他の安保理事国には、この問題はイランの権利を守るということ以前に、一国際機関、そして〔国際社会の〕協調を守ることにつながるということに、注意を向けていただきたい」。

▼ 研究活動は放棄しない

 アーセフィー報道官は「もし安保理がイランに研究活動の停止を求めた場合、イランはこれにどう答えるつもりか」という質問に対して、「研究活動は我々の正当な権利であり、何人もこのような要求を提示することはできない」と答えた。

▼ まずアメリカがスタンスを示すべき

 ハミード・レザー・アーセフィー外務省報道官は会見の中で、アメリカとの会談の可能性について、「まず米国に自らのスタンスを提示するよう、促していただきたい。〔米側から立場表明があれば、〕その時にイラン側が会談のための条件を明らかにする」と述べた。同氏は、「安保理で出された決議に対しては、いかなるものであれ、イランは拒否するつもりか」という質問に対して、「安保理はイランの核問題を、IAEAで検討するよう決めるかもしれない。この場合イランは拒否しない」と述べた。

 同報道官はジャック・ストロー英外相がイランに関して行った最近の発言について、ちょっとした戯言にすぎないと評し、次のように話した。「私はストロー外相による演説の原稿を何度も読み返した。しかしそこに書かれた各部分の間には、論理な関連性や一貫性が全く見られなかった。ちょっとした戯言の類いが述べられているだけだった。彼のような著名な一外交官が、文章をきちんと通読せずに演説したとは残念だ」。

▼ ロシアには妥協しないよう望む

 アーセフィー氏は、イラン核問題に関する、安保理におけるロシアの立場についての別の質問に対して、次のように述べた。「ロシア側は取引をしないと表明している。我々もそれを希望する」。さらに、「ロシア側は先日の協議の中でイランの問題はIAEAの枠組みの中で解決されるべきであり、早急な対応は控えるべきだと強調した。現在のところ、明日と明後日の安保理で何が起こるかは、予見できない」と述べた。「イランは自国の権利以上のものを望んではいないが、それ以下のもので満足することもない」と強調した。

▼ イラン核問題はラーリージャーニー書記が言った意味で安保理に持ち込まれた訳ではない

 アリー・ラーリージャーニー国家安全保障最高評議会書記が「もしイラン核問題が安保理に付託されれば、ロシア提案の破棄という代償を払うことになるだろう」と発言したことや、数日前の同報道官自身が「ロシア提案は検討すべき議案からはずされた」と発言したことについて、記者団はより詳しい説明を求めた。アーセフィー報道官はこれに対し、「ラーリージャーニー書記は、もしイラン核問題が安保理に持ち込まれたならば、そういうことになるだろうと述べたが、しかしながら、いまだこの問題は、彼が言った意味で安保理に持ち込まれた訳ではない。もちろん、報告されたことは事実だ。しかしそれは、政治的・非専門的な見地からなされたものにすぎない」とした。

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( 翻訳者:久野華代 )
( 記事ID:2145 )