19世紀のトルコ・アルメニア問題、両者に責任 -アルメニア総主教が発言(Hurriyet紙)
2006年04月21日付 Hurriyet 紙

トルコのアルメニア教会総主教メスロブ2世は、エルジエス大学で行われたシンポジウム「オスマン社会における共生:トルコ・アルメニア関係を例として」での講演で、19世紀のアルメニアの各政党およびアルメニア総主教にもトルコ・アルメニア問題に対する責任があると強調した。メスロブ2世は、「これまで起こったことに対し、トルコ人とアルメ ニア人、両者に責任がある。」と述べ、次のように続けた。

「フランス革命がもたらした民族主義の潮流は、やがて他の国すべてが影響を受けたように、オスマン帝国に属していたすべての民衆にも影響を与えた。とくに19世紀末にかけてトルコ・アルメニア関係が緊張したことへの責任は、オスマン帝国のみならず、 ドイツ、アメリカ、フランス、イギリス、ロシアにもあるといえる。さらにはアルメニアの各政党、およびトルコ領内のアルメニア人がつくった世俗議会の指示に従っていたイスタンブル・アルメニア総主教たちにも責任がある。起こってしまった痛ましい結果に対して、双方が負う責任は同等ではないかもしれない。 それでも、双方のうちいずれか一方が事態の成り行きに対して自らの責任を放棄する、または完全に責任を相手に押し付ける行為は、道義的に正しいことではない。」

■新たな視点
メスロブ2世は、トルコ人とアルメニア人の歴史を示すノスタルジックな表現の代わりに、「共生の事実を具体的に示す歴史的、科学的研究を加速させること」を求め、次のように続けた。
「すでに周知のトルコやアルメニアに関する論文をちがった形で出版するといったお金と時間の空費をするのではなく、トルコ・アルメニア関係史に大きく貢献しうるアルメニア語資料のトルコ語および英語への翻訳を早急に実現させ、研究者と世間に公表すべきである。」


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( 翻訳者:倉本 さをり )
( 記事ID:2245 )