エルドアン首相夫人、スカーフ論争について考え述べる(Radikal紙)
2006年04月28日付 Radikal 紙

エミネ・エルドアン:憲法は性差別に反対しているが、平等の実生活への反映という面では問題がある。問題の根源まで遡り、良心を開放する必要がある。

タイイプ・エルドアン首相の妻エミネ・エルドアンは、女児の教育が(生活上、社会通念上の)禁止事項により阻害されていると指摘し、「残念ながら、良心を傷つける(こうした)禁止事項により(女性の)権利と自由が奪われている」と話した。
トルコ女性実業家協会(TIKAP)の主催でイスタンブルで開かれた「世界女性実業家サミット」で講演したエミネ夫人は、名前を挙げずにイスラム風スカーフの禁止令を批判する一方で、アタテュルクへの賛辞を口にした。エミネ氏は、憲法で性差別が否定されていることや、人がその世界観や服装がどのようなものであろうと法の下では平等であることを強調し、こうした事柄が現実の生活に反映されていないことが問題であると述べた。

■「名誉殺人は悲しい現実」
エミネ氏は次のように話した:「(女性が)教育を受ける権利はさまざまな形で阻まれている。世界宣言、国際条約、憲法、あるいは法律では(性)差別が解消されないことを認めざるを得ない状況にある。女性であれ男性であれ、人は神の創造物のうちで最も優れた、最も完璧な存在である。いかなる習俗や伝統による女性に対する暴力や差別の正当化も認めることはできない。女性の教育からの阻害は、すなわち生殖や労働、社会、法、司法、政治からの阻害であり、社会の半分をないものと考えることを意味する。我々は(国民教育省の進める)「さあ女の子たちを学校へ!キャンペーン」を先導し、今日までに20万人近い女児が学校に行く手助けをしてきた。良心を開放する必要がある」。

問題の根源まで遡らなければならないとするエミネ氏は、「そこで直面する現実は、社会経済的な障害と並んで、私が文化的盲目性と呼んでいる偏見の病気であるはずだ。この病気を撲滅しなければならない。2010年までにトルコ人女性の就学率100%達成を目指して努力している。私の仕事の大部分を女児の就学率向上のために費やしている」と話した。

女性抜きの社会生活を考えることは不可能だと指摘するエミネ氏は、次のような見解を示した:「残念ながら申し上げなければならならないことは、今日の世界で人間的な価値が折りに触れ看過されているとすれば、その分だけ女性の社会生活の中での役割や重要性、社会的な期待にも注意が払われていないかもしれないということだ。結果は明白だ。つらく、涙にあふれた世界が広がっている」。

エミネ氏はまた次のように話した。「我々はいまだに名誉殺人の話をしなければならない。これ以上に悲しい現実はない。今日世界中で最も足りないのは愛と心の優しさ、慈悲である。生活の全ての領域に人間的な深さを獲得させるには、我々女性が政治に参加し、社会を代表して意思決定の過程に参加することが必要だ。(そうすれば)女性の手の届く全ての領域でよい方向への変化が生まれ、人間的価値が重要視され、無慈悲な状態が和らぐに違いないと私は信じる。女性は社会生活の中で満足いくほどの活動的な役割を果たしていない。教育を受ける権利を阻害され、仕事でも家庭でも困難を味わい、暴力にさらされている女性たちがいる。ただ政府の努力によってのみ女性の抱える問題が解決されると考えてはならない。我々は家族や、属している社会や、人間性の共通の将来に対しどのように貢献しているのか?この問いについて、真剣に考えようと言っているのです。集い、希望のある言葉を使い、語り合い、その後も力を合わせ続けよう。グローバル化の可能性を利用して、1つの作品を作り出そう」。

※「さあ女の子たちを学校へ!キャンペーン」について(トルコ語):http://www.haydikizlarokula.org/

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( 翻訳者:近岡 由紀 )
( 記事ID:2312 )