大統領がザンジャーンで演説「イランは世界の人々の公正実現の手本となっている」 ハムシャフリー紙
2006年04月29日付 Hamshahri 紙
2006年4月29日付 ハムシャフリー紙政治面
【政治部】マフムード・アフマディーネジャード大統領は、今週木曜、12回目となる地方遊説でザンジャーン州を訪れた。大統領はこの訪問で、ザンジャーンやターロム、アブハル、ホダーバンデ、ホッラムダッレの市民や、遺族会、また州の有識者が集まるなか演説を行なった。同大統領はザンジャーンの人々への最初の演説で「イランは核保有国だが、いかなる国にとっても危険視されるような存在でははない」と述べた。
また、大統領はISNA(イラン学生通信)に対し、次のように発言した。
「我々は今でも平和を推進するために話し合う用意がある。我々には横暴や侵略の意図はなく、また、イラン国民はわずかでも圧制を受け容れるつもりはない。もしも我々を侵略しようとする国があれば、イラン国民はその国に対し、後悔の恥辱を思い知らせることになるだろう。イラン国民は27年間、タウヒード(神の唯一性)と正義の旗手であり続けてきたし、今日ではイランの公正を求める姿勢は、世界の人々の手本となっている。」
さらに、彼は西欧諸国に対し、次のように呼びかけた。
「あなた方は、決議を採択し、IAEAや安保理という仮面の下に圧制者の顔を隠すことによって、イラン国民から認められた権利を奪うことができると考えたのだろう。今日のイランは自国の若者達の力によって核燃料製造技術を得たのであり、誰であれこの知識を我々から奪い去ることはできない。核エネルギーは、国家の大小を問わず、全ての国々が求める権利なのだ。」
「我々は全ての人類が平和と正義の下で暮らせるよう、平和と安寧を支持している。また諸大国がその行いを改め、預言者たちの教えに従うことを期待している。私は彼らにこう言うであろう。もしも預言者のお言葉を受け入れることができず、他の国々と連帯することができないのであれば、国々は、あなた方を早々に権力の王座から引きずり落ろし、あなた方は裁かれることとなろう、と。諸国家は、タウヒードと正義への道を進み、やがて団結して「ラー・イラーハ・イッラッラー(アッラーの他に神は無し)」と唱えるのだ。」
また、アフマディーネジャード大統領は演説の中で、イランを立て直さなければならないと強調したうえで次のように述べた。「雇用創出のために政府がすべきこととのひとつが、低金利での金融資産の運用である。本年度は国全体で180兆リヤール(約2兆2,860億円)以上がこの事業に拠出されることになっている。」
大統領は、さらに、レザー友愛基金の創設を政府によるもうひとつの失業対策として位置づけ、「同基金は無利子貸付金として無利息で貸付を行う。また、同基金の予算は各州にそれぞれ配分される。ザフラー生誕記念日(注)までには全ての州と地域がこの基金を設立し、その日から業務を開始せねばならない。」と述べた。
また、「レザー友愛基金による拠出は、第一に若者の婚姻支援に割り当てられ、第二に就業支援に、第三に若年層の住宅補助に充てられる。政府は本年度、運営の効率化と消費支出の削減に努め、25兆リヤール(約3,175億円)をこの基金に拠出する。この基金の予算が二倍になるよう議員の協力を期待している。」と発言した。
(後略)
(注)ザフラー:預言者ムハンマドの娘で、シーア派初代イマーム(宗教指導者)アリーの妻、ファーテメ・ザフラーを指す。今年のザフラー生誕記念日は、西暦7月16日にあたる。
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( 翻訳者:牧良太 )
( 記事ID:2321 )