トルコの検察官の一部、法曹改革を理解せず―EU委員会トルコ視察団団長発言(Hurriyet紙)
2006年04月06日付 Hurriyet 紙

EU委員会トルコ視察団のハンスヨーグ・クレッシュマー団長は、「トルコには法曹改革の精神を理解していない検察官がいる。表現の自由を尊重せずに告訴している例が見られる」と話した。

アンカラで行われた「EU加盟プロセスにおける法曹改革」会議の開幕式でスピーチを行ったEU委員会トルコ視察団のハンスヨーグ・クレッシュマー団長は、最近承認されたトルコ刑法がトルコのEU加盟にとって非常に重要な一歩であるにも関わらず、表現の自由を制限するような判決がいまだに出されているという見解を示した。

トルコの法曹システムが批判にさらされていることや、司法の独立が議論されていることに言及しながら、クレッシュマー氏は百周年大学のユジェル・アシュクン学長に関する裁判やメフメト・アリ・アージャ被告の裁判を例に挙げ、(「国家侮辱罪」を規定した)刑法第301条により多くの新聞記者が裁判にかけられていると指摘、「裁判官や検察官がこの条項を用いる頻度は、トルコを他のEU加盟国から区別する(ほど多い)」と述べた。

また表現の自由を制限する条項を見直す必要があると主張するクレッシュマー氏は、「検察官の一部は法曹改革を理解していない。表現の自由を尊重せずに告訴している例も見られる」と話した。これらの問題をEU加盟プロセスの最中に解決する必要があるとする同氏は、トルコの司法制度にはより根本的な改革が必要であると述べ、特に拷問と表現の自由に関して多くの裁判が開かれていることを批判した。

さらにクレッシュマー氏は、トルコの司法制度には一貫性のなさが見受けられるとし、司法システムの独立と中立性についてEU加盟国とEU委員会の基準をトルコも適用する必要があると強調した。

この分野の改善作業においては弁護士の役割が一層重要であり、さらなる努力と協力が必要となると話すクレッシュマー氏は、順調に機能する司法システムの不在が人権や法の支配、民主化のような領域のみならず、経済状態にも悪影響を及ぼすと忠告した。同氏は、司法制度改革が他のあらゆる分野の基盤を形成すると付け加えた。

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( 翻訳者:住永 千裕 )
( 記事ID:2162 )