国会文化委員会委員長、ファッション服飾法案の趣旨を説明 シャルグ紙
2006年05月15日付 Sharq 紙

2006年5月15日付シャルグ紙7面

【政治部】国会は賛成137票で、〈ファッション服飾整備法案総則〉を可決した。

 この法案は第7期国会の文化関連法案の中でもっとも重要な法案の一つに数えられている。同法案はさまざまな賛否両論の中で提出され、その後52名の議員の要請により、優先法案として議題に上げられた。

 同法案の主要起草者の一人であり、テヘラン選出のエマード・アフルーグ国会文化委員会委員長は、昨日同法案の弁護を行い、同法案は社会の文化的変質を防止する手段であるとの見方を示した。

 アフルーグ議員は、同法案に対して加えられた全ての批判を退け、「ファッションや服飾を強制する意図はまったくない。この法案には、ただ一つの義務内容を除いて、強制的な条項はまったく存在しない」と述べた。同議員は、唯一の強制的内容として、同法案には〈イラン的ファッション・服飾の生産者及びデザイナーを保護する政府の義務〉があるにすぎないとした上で、「国会、あるいは政府ですら、服飾のデザインや流行を提起するようなことはない。ただこの法案では、国民的・イラン的服飾のデザイン及び生産に携わる民間部門のデザイナーを保護するよう、政府は義務づけられているだけである」と続けた。

 アフルーグ議員はさらに、「この法案でわれわれが想定しているのは、政府が直接事業に関わることは避け、監督と指導という政策立案の分野で主に役割を果たすべきだ、ということである」と述べた。

 アフルーグ議員はまた、次のように述べた。「市民の権利とは、経済的権利、政治的権利、あるいは社会的権利だけではない。全ての市民は、その他の権利、すなわち文化的権利、芸術、建築、音楽等々の権利も有している」。同議員は「われわれはこれらの諸権利に対して、関心を払ってこなかった」とした上で、「果たしてわれわれはこれまで、自らの音楽、伝統文化、建築といったものに対して、冷淡ではなかったか?」と問うた。

 アフルーグ議員はさらに次のように付け加えた。「遺憾ながら揶揄する者たちがいるが、この法案によって、彼らが想定しているのとは反対に、われわれはファッションの多様性や変化を歓迎している」。そして、次のように語った。「レザー・ハーンは姿格好の統一を推進した。しかしわれわれは、多様性を追求している。対して、資本主義は社会的多様性に敵対する。なぜなら、資本主義は大量生産と利潤の創出を追い求めるものだからである」。

 同議員はさらに、次のように述べた。「われわれの社会システムは、多様性にもとづく。マーザンダラーン、クルド、ロル、バルーチ、トルコマン、アラブの〔民族〕衣装には、多様性の存在を目にすることができる。この多様性の傍らには、イラン的文化の現れとしての、統一性というより糸の存在も確認することができる」。

 アフルーグ議員はまた、服飾ファッションは天から降ってくるものなどではないとし、「『われわれには服飾ファッションの展覧会一つ開催することもできない。ましてや、服の大量生産など不可能である』と言っているデザイナーも、一部にいる」と述べた。

 アフルーグ議員はまた、次のように述べた。「われわれはこれまでずっと、バッドヘジャービー〔女性の着衣の乱れ〕という現象に対して否定的、強制的対応をとることに反対してきた。しかし他方で、われわれは多様なファッションを国民に提供することを怠り、また国民も服のデザインをオーダーメードするだけの経済的余力がないのが現状である」。

 さらに次のように述べた。「婦人がバーザールに行っても、ほとんど選択することもできない。他方、われわれが新たな案を提出しなければ、治安維持軍は〔バッドヘジャーブな女性に対して力で〕法的に取り締まる以外にないのである」。

 アフルーグ議員はまた、次のように述べた。「我が国民は、その良心の奥底では、信心深い人々である。しかし現在、国民の奥底にある信仰心と、彼らが〔現実の生活の中で〕関わっているところの表面的な現れの間には、距離が生じてしまっている」。

 同議員はさらに「ファッションや服飾は、われわれの文化的象徴に属するものだが、文化的変質のために、われわれの文化的象徴にまで、攻撃が加えられているのだ」と述べ、その上で次のように語った。「グローバリゼーションによって、文化的変質という危険性を内包する世界にあって、この法案は文化的変質を防ぎ、イラン的文化を再生させるのに寄与するはずである」。

〔後略〕

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2445 )