安保理がイランの核問題を審議(アル・アハラーム紙)
2006年05月04日付 Al-Ahram 紙

■ 国連安全保障理事会がイランの核問題を審議
■ アメリカが制裁措置を迫るもののロシアと中国は反対
■ イラン:「空虚な脅迫には屈しない。隣国との関係は良好だ」

2006年05月04日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面

【ワシントン・パリ・テヘラン:諸通信社】

国連安保理は数時間以内にイランの核開発問題をめぐる会合を開く。
これに先立って昨日アメリカは、制裁への道を開き、最終的には武力行使を可能にする国連憲章第7章に基づく国連決議の採択に反対するロシアと中国の姿勢を変えることに失敗したと認めた。

アメリカ政府はアメリカと他の国が安保理の枠外でイランへの経済制裁を行う可能性があると強調し、ロシアと中国の姿勢に対する失望を表明した。アメリカのニコラス・バーンズ国務相政治担当次官は、パリで行われていた常任理事国の外務省政治幹部会議はいかなる合意にも達することなく一昨日終了したと発表した。

バーンズ氏は合意に至らなかったことに対して米国が感じている失望を表明した。

またバーンズ氏は、協議を継続し、立場の開きを埋めるため、常任理事国およびドイツの外相が今月8日にニューヨークで会合を持つと強調した。

一方アメリカのジョン・ボルトン国連大使は、アメリカは自身の姿勢を明確にするために安保理会合を用い、イランに対し厳しいメッセージを出す必要性についての米・英・仏間の合意を示していく、と主張した。また会合では15カ国の理事会メンバーがそれぞれの立場を示し、この危機について話し合うことが許されると指摘した。

またアメリカとしては一定の猶予を与え、制裁には一切触れない決議案の提出を近いうちに目指す、と付け加えた。制裁措置の決定についてはこの第一の決議で定められる猶予期間の終了後に安保理が審議することになるだろう別の決議が必要となるとの考えを明かした。

さらに「もし安保理が自らの責任を取ることに失敗したら、米国とその同盟国が自身でその責任を担う」と述べた。またボルトン国連大使は安保理の中にイランとの協力に関する合意に似たものが存在しているとほのめかし、「次の決議案に対しロシアと中国が拒否権を行使せず棄権してくれることがアメリカ側にとっては望ましい」と述べた。

国連安保理の枠外での制裁という脅しに対しイランは、核エネルギー保有に向けた努力の継続を確認することで応じた。

イラン外務省のアセフィー報道官は「空虚な脅迫はイランを恐れさせることも、その意欲を挫くこともない」と述べた。

イランの国家安全保障最高評議会議長で核問題担当のアリー・ラーリージャーニー氏はアブダビで、湾岸諸国は米国側に立つことはないという信頼を表明し、イランと隣国の間に問題はないと強調した。



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( 翻訳者:垣平浩明 )
( 記事ID:2447 )