「大統領は曖昧な発言を控えるべき」:アフマド・ハータミー師 シャルグ紙
2006年04月30日付 Sharq 紙
2006年4月30日付シャルグ紙2面
【イラン学生通信】テヘランの暫定金曜礼拝導師は、大統領に対し、マルジャエ・タグリード(宗教最高権威)らの立場表明を受けて、婦人らのスタジアム立ち入りを許可する旨の自らの指示を見直し、曖昧な発言を慎むよう求めた。
セイエド・アフマド・ハータミー師は、スタジアムへの女性の立ち入りに関連して、大統領が体育庁長官に指示を発出してから数日が経過したとした上で、「当方は、当初より政府スポークスマンを介して、大統領に対してメッセージを伝え、注意を喚起してきた」と述べた。
同師は、偉大なるマルジャエ・タグリードより〔大統領の指示に反対する〕明快な立場表明があった以上、この指示について見直しが行われることが適当であると表明した上で、次のように述べた。「当方は金曜礼拝第一部において、アフマディーネジャード氏の政府と価値を重んずる同氏の姿勢を高く評価した。社会の本源的な価値の実現と、イスラーム法規定の遵守は、特に評価に値する。しかしながら、偉大なるマルジャエ・タグリードよりこのことに関して明快な立場表明があった以上、価値を重んじる大統領には、自らの判断を見直すよう期待したい。なぜならば、見直しは国にとっても、またアフマディーネジャード氏の価値を重んじる姿勢にとっても、利することが多いからである。大統領には、価値を重んじる姿勢を守るよう期待する向きが、依然として強いということだ」。
同師は「大統領はこのことに関して曖昧な発言を控えるべきだ」とした上で、次のように述べた。「報道で大統領は、女性に関する一部の偏見はイスラームとは関連がないと述べたと伝えられている。大統領はこの発言について明確にし、何をもって《偏見》と言っているのか、意図するところをきちんと述べるべきであろう。この発言は、マルジャたちの立場と比較して、かなりな程度(曖昧な)想像に基づいている。このテーマがイランでは微妙な問題を含んでいることを考えるならば、大統領には是非きちんと見直していただき、その結果を表明していただけるよう、心より望んでいる」。
テヘラン暫定金曜礼拝導師はまた、「国民に奉仕する政府は、価値の守護者であることを確信している」とし、また「現政権が発足してから8ヶ月が経つが、その間目を見張るような素晴らしい貢献が政府によって行われてきたことを、これまで目の当たりにしてきた」と述べ、「政府は一部の立場が提示されることで、これまでの自らの貢献に疑問が付されるようなことがないよう、注意すべきだ」と語った。
同師はさらに、イラン・イスラーム革命は最高のマルジャであるイマーム・ホメイニーの指導で勝利へと導かれ、過去27年間多くの成功を収めてきたのも、マルジャたちの導きのお陰であったとした上で、次のように強調した。「マルジャエ・タグリードたちは、つねに宗教の番人であった。彼らの指導によって、イスラームの利益に配慮がなされたのである。われわれは皆、イスラームを愛する者たちである。われわれにとって、この基本的枠組が尊重され、マルジャたちの侵すことのできない地位が守られ、宗教の基盤が傷を受けない限りにおいて、個人は尊重されるのである」。
ハータミー師は、ある国会議員がマルジャエ・タグリードのファトワー(教令)があったとしても、女性のスタジアムへの立ち入りを禁止することはできない、禁止するためには国会の承認が必要だ、と語ったことに触れ、次のように述べた。「なぜ禁止することができないのか?マルジャエ・タグリードたちは宗教的な法規定を表明する存在である。聖法の法規定を表明するのに、国会の承認は必要ない。マルジャエ・タグリードが、しかじかの問題は聖法に反すると宣言するならば、この問題はもはや、国会の承認など必要としないのである。憲法第四条に従えば、あらゆる法律はイスラームに基づいていなければならない。マルジャエ・タグリードは、この問題〔女性のスタジアムへの立ち入り〕を聖法に反していると表明したのだ」。
ハータミー師はイマームザーデ〔イマームの子孫たちを祀った聖廟〕の尊厳を守るのは廟の管理人の責任だとした上で、「尊敬すべき国会議長には、マルジャやウラマー、宗教の侵すべからざる価値を守ることの意味について、国会議員らに注意していただくよう、希望する」と述べた。
現地の新聞はこちらから
関連記事(マルジャエ・タグリード(宗教最高権威)、女性の競技場入場に反対)
( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2327 )