ロウハーニー師、ラフサンジャーニー師らが《闘う宗教指導者会議》の立候補者名簿に
2006年05月23日付 Sharq 紙

2006年5月23日付シャルグ紙6面


【イラン学生通信】専門家会議選挙へ向け、《闘う宗教指導者会議》の立候補者名簿作成のために同組織から指名された《三人委員会》は、日曜日夜、《闘う宗教指導者会議》中央評議会に対し、第一次名簿原案を提出した。この名簿には、ハーシェミー=ラフサンジャーニー師、ハサン・ロウハーニー師、ヌール=モハンマディー師などの人物の名も見受けられる。

 セイエド・モハンマド・ラザヴィー=ヤズディー氏は、《闘う宗教指導者会議》の側から行われた、専門家会議選挙をめぐるハーシェミー=ラフサンジャーニー師との協議について、次のように指摘した。「〔名簿作りを任されていた〕ハータミー師は最近、ラフサンジャーニー師と会談をもった。その中で、ラフサンジャーニー師は第4期専門家会議選挙に出馬するならば、《闘う宗教指導者会議》の候補者名簿に加わりたいとの意向を宣言した」。

 《闘う宗教指導者会議》事務局長のムーサヴィー・ホイーニーハー師が改革派、中でも所属の同会議に対し、専門家会議選挙には参加しないよう呼びかけたとの一部報道に関し、ラザヴィー=ヤズディー氏は「ホイーニーハー師はこのことを、大変遺憾に思っている。同師は、このような虚偽のニュースが報じられたことに対し、憤慨している」と語った。

  ◇◇◇

解説:

 「専門家会議」は最高指導者の選出・監督・罷免権を有する機関。86名からなる同会議議員は選挙によって選出され、任期は8年。同会議の議員は「敬虔で有識の宗教指導者」であることが求められ、選挙の立候補者資格審査は、議会選挙や大統領選挙と同様、《護憲評議会》によって行われる。

 《闘う宗教指導者会議》は、元来「統制経済」、「イラン・イラク戦争主戦論」を主張した急進派の宗教指導者グループで、ホメイニー死後、「ホメイニー路線の純粋な継承」を主張し、しばしばハーメネイー最高指導者の権威に異を唱えた。

 第4期議会選挙で国会から排除された後、《急進的》傾向は薄くなり、むしろ最高指導者や護憲評議会の権限を弱め、より《民主的》な体制へ移行することを主張する《穏健左派》的傾向へ転じた。前大統領のハータミー師の出身母体で、同師は現在同組織の議長を務めている。

 これまで、《闘う宗教指導者会議》のメンバーは専門家会議選挙への立候補者資格審査ではねられきたことから、次回の専門家会議選挙でも同様の事態が予想されている。

 《公益判別評議会》議長のラフサンジャーニー師や国家安全保障最高評議会前書記のロウハーニー師といった、従来《闘う宗教指導者会議》とは一線を画していた人物が、今回同組織の立候補者名簿原案に名を連ねたことが注目される。

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( 翻訳者:斎藤正道 )
( 記事ID:2499 )