「イラン」紙発行停止 ハムシャフリー紙
2006年05月24日付 Hamshahri 紙

【社会部】報道監視委員会は昨日、第10期第52回特別会議を開催し、賛成多数で日刊紙「イラン」の発行停止を決めた。同委員会は、国内の不和を増長し、扇動的な記事を掲載したとして、報道規制法第12条注釈及び第6条第5項に基づき、イラン紙の発行を停止した上で、裁判に訴えた。同様に、イラン紙金曜版の編集長を務めるメフルダード・ガーセムファル氏、及び同紙の風刺漫画家のマーナー・ニースターニー氏が逮捕された。

 今回の事件は、週刊の『イラン紙金曜版』に描かれた風刺漫画に対するイランのアーザリー語を母語とする地域住民の抗議が発端となっている。

この風刺漫画の掲載を受けて、国家安全保障評議会は会合を開いた。会合の終わりには、モスタファー・プールモハンマディー内務大臣が「アーザリー語を母語とする我々の同胞の気持ちを傷つけた、週刊『イラン紙金曜版』の関係者は、国家安全保障評議会の決定により逮捕される」と述べた。また、関係者に対しては法に則った措置を講じると語り、「すでに行われた当該住民の意見表明については、肯定的なことだと受け止めており、住民がこうした問題に敏感であることを示している」と述べた。

今週月曜、タブリーズやアルダビールなどのアーザリー語を母語とする地域ではデモが行われ、参加者はイラン紙の風刺漫画に対し抗議をした。

内務大臣は、デモの中で掲げられたスローガンの多くが国民の団結を促すものだったと語り、「もちろんこうした集団の中には、この件を悪用しようとする者や、国外でイランに何が起きるか見ていて、自分たちのサイトや衛星放送で宣伝活動を行おうとする者、そしてこうしたデモの中で人々の財産や命を狙う病んだ者もいる」と述べた。

昨日行われた国会で、タブリーズ選出の議員もこうした犯罪者に対する懲罰を要請し、「このような国の非常事態の際は、国内の様々な民族の感情や親切心にたいする配慮がおろそかになってしまう。その結果、様々な州で不快な事件が起こりうる」と述べた。

イスラーム評議会(国会)議長もまた、アーザリーの同胞に対する侮蔑は我々イラン国民全体への侮蔑であるとし、アーザリー語を母語とする住民に対して、こうした事態を悪用しようとする、よからぬ者たちに気をつけるよう求めた。

一方、文化イスラーム指導省のモハンマドホセイン・サッファール・ハランディー大臣は、「アーザリー語を母語とする住民を侮蔑するような内容の記事を掲載したことは、愚かで浅はかな行為、あるいは扇動的であるといえる。我々はこうした行為を見過ごさない」と述べた。

同氏はまた、本紙記者のインタビューに答えて、「イラン紙の平日発行部数の10分の1の部数に限って発行された金曜版に掲載された記事が、問題の引き金となった。この件に関してはよく調査しなければならない」と語った。

また、問題の記事が発行された後に、それとは無関係の記事を載せたものが(何者かによって)発行され、アーザリー地域住民に配布されたことについて触れ、「問題の記事以外の記事を載せたイラン紙が配布され、住民に対し、問題の記事が別のものだったかのようにとりつくろわれた。掲載された内容自体も不本意なものだったが。この記事は、一匹のゴキブリによるアーザリー語での語りで風刺になっていた。」と述べた。

さらに、「この記事を見て、本省の報道次官にこの問題を委任し、新聞社に連絡した後、関係者が免職となった。またイラン紙編集長も監督不行き届きで厳重注意を受けた」と語り、イラン紙の反応について「同紙は3号に渡り新聞社代表の説明及び謝罪文を掲載した。代表本人はこの件に直接かかわっていたわけではないが、今回の件は目が行き届いていなかったことを示している」と述べた。

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( 翻訳者:關岡 敦子 )
( 記事ID:2512 )