ワシントン・タイムズ紙、トルコのアレヴィー問題を報道 (Milliyet紙)
2006年05月25日付 Milliyet 紙
公正発展党(AKP)政権に対する厳しい批判で注目を集めているワシントン・タイムズ紙で、儀礼場と(中等教育での)義務的宗教授業に関するアレヴィー派の不満が取り上げられた。
最近、AKP政権に対する厳しい批判で注目を集めている同紙は、今回トルコのアレヴィー派の問題を取り上げた。トゥンジェリ発、ニコラス・バーチ記者の署名入り記事の中で、トルコのアレヴィー問題が「トルコではアレヴィー派の間で不安が増している」という見出し付で報告された。
■義務的宗教授業めぐり提訴
アレヴィー派の人々が儀礼場と義務的宗教授業に関して抱いている不満について紹介した記事にコメントを寄せたイッゼッティン・ドアン教授は、義務的宗教授業を理由に国民教育省に対する訴訟を起こしたことを説明し、「他の選択肢はなかった。少なくとも以前の政府とは話をすることが出来ていたが、今の政府との間では話し合いの機会が全くなくなってしまった」と述べた。
アレヴィー派が自らの不満を欧州人権裁判所に訴え出たことを伝える記事は、欧州人権裁判所が先月、子どもに対する義務的宗教授業の免除を求めた家族の主張を認める「歴史的」な判決を下したことを説明した。しかし判決が再度逆転したことは、記事では触れられなかった。ヒュセイン・チェリキ国民教育相が、義務的宗教授業でアレヴィー派の信仰についても教えるため、カリキュラムに必要な変更を加えると述べたと報じる記事は、しかしアレヴィー派の人々はこの問題に対して(政府から)相談がなかったと言っていると伝えた。記事では、アレヴィー派の最大の不満は儀礼場に関してのものであると報じられた。
■モスクの代わりではない
(記事は)宗務庁のアリ・バルダクオール長官が「すべての宗教集団は我々の仲間である」と述べた後、「アレヴィー派の起源はスンナ派である」という見解を示したことも紹介。バルダクオール長官の「我々は儀礼場に反対はしないが、儀礼場はモスクの代わりではない。セマー(アレヴィー派などが儀礼場で行う宗教的舞踊)があっても良いが、断食も行わなければならない」との発言も紹介された。
AKPにアレヴィー派の議員がいないことを明らかにした記事では、アレヴィー派が「トルコの真の、しかし第二級と見なされている市民」であるという主張も載せられた。
バルダクオール宗務庁長官は、ワシントン・タイムズ紙に対し「アレヴィー派教徒はスンナ派である」という見解を含むコメントを出してはいないことを伝えた。ニコラス・バーチ特派員の質問に答えたことは認めたバルダクオール長官は、(アレヴィー派に関する)こうした説明がアイリッシュ・タイムズ紙で2月20日、21日に掲載されていたことを明らかにした。バルダクオール長官は、バーチ記者の「アレヴィー派には不満がある。アレヴィー派とは何か、ムスリムなのか?」という問いに、「宗務庁として、イスラーム教について社会を啓蒙している。アレヴィー派もムスリムであり、我々のメッセージの対象には彼らも含められている」と返答したことを強調した。
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( 翻訳者:佐藤淳也 )
( 記事ID:2523 )