■ 最初のイラク恒久政府、テロ対策を誓約
■ シーア派、クルドは歓迎 スンナ派は留保 アメリカは支援
2006年05月21日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
5ヶ月間にわたる議論と根深い対立の後、ヌーリー・アル=マーリキーを首班とするイラク挙国一致政府が就任の宣誓を行い、国民評議会の信任を得て、2003年3月20日のアメリカによるイラク攻撃以来最初のイラク恒久政府の最優先課題とみなされるテロ対策の実施を公約した。同政府の任期は4年間である。しかし未だにつづいている対立のためテロ対策を担当する国防相、内相、国家治安相の主要三職が未だ決定していない。
3人の女性を含む37人の大臣から構成される新政府はシーア派とクルド人に歓迎をもって受け入れられたが、政府のプログラムの中に「テロに関する項目」が盛り込まれているという理由でスンナ派勢力は留保の姿勢を表明している。
政府がバグダッドのグリーン・ゾーン地区において、厳重な防護柵の内側で開催される国民評議会に出席する一方で、イラク国内ではまたもや血塗られた一日となり、31人が殺害され、警察によって22人の遺体が発見された。
アメリカのジョージ・ブッシュ大統領はマーリキー政府が信任を得たことを祝福し、「今やイラク人は、完全に憲法に基づいた政府をもっている。これによってイラクにおける民主主義的な移行のプロセスが完了することになる。このプロセスは困難であると同時に、他の国々にとってもインスピレーションの源となるものであった」と述べ、「広汎な勢力の代表からなるこの挙国一致政府は、イラクにおける新たな進歩の機会を提供するものである。私はマーリキー首相が新たなイラク挙国一致政府を樹立したことを祝福する」と語るとともに、アメリカ合衆国はイラクの新しいリーダーたちが同国の直面することになる「さらなる挑戦の時期」に取り組むのを援助すると強調した。そしてまた「アメリカ合衆国とあくまで自由を追求する世界の各国は、イラクが世界の民主主義諸国の間に占める位置に鑑みて、またテロとの戦いにおける同盟国として、イラクを支援するだろう」と述べた。
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( 翻訳者:並木麻衣 )
( 記事ID:2558 )