自分の子どもを犯罪に誘導 -イスタンブル県庁の調査で詳細明らかに(Radikal紙)
2006年05月29日付 Radikal 紙
大都市の悪夢といえる、かつあげ・泥棒・ひったくり・すりなどの事件に対して、様々な対策や法律が出されているにも関わらず、それは一向にやまない。特にこの手の犯罪に手を染める子どもの数の増加が顕著である。子どもの犯罪の増加には、家族の間接的・直接的な関与がみられる。イスタンブル県の調査によると、37家族が、207人の子どもをカツアゲ・ひったくり・すりへと仕向けている。このうち117人が12歳以下で、最年長の子どもが1988 年生まれ、最年少は2000年生まれである。ほぼ全員に補導歴や前科がある。イスタンブル警察のデータによると、2006年2月の半ばまでに行われた2326件の事件で、2702人の子どもが逮捕され、221人が収監された。犯罪の増加を受けて、イスタンブル警察は昨年の11月に対策にとりかかった。社会公共事業の責任者であるメフメト・セイマン副知事は、この任務に関連して、県警と県に属す社会公共機関のデータを集めた。
■家族は地方出身
このデータは、「丸秘」の印が押され、1月にレポートとして提出された。内容は次の通り。
・37家族のうち、計207人の子どもがひったくり、カツアゲ、泥棒、すり、詐欺の犯罪に誘導されている。
・家族の多くは、ベイオール、シシュリ、バクルキョイ、ゼイティンブルヌに住んでいる。
・家族の大半は、ディヤルバクル、スィイルト、エルズルムから移り住んだ。スィノプ、ブルサ、トラブゾン出身の者もいる。子どもたちのほぼ全員が、イスタンブルで生まれた。
・犯罪に引き込まれている子どもの60%が12歳以上、30%が15歳以上である。12歳以下の者は、117人いる。
■子どもたちの25%は教育を受けていない
・12~14%の子どもたちは高校まで通えたが、20~25%の子どもたちは学校というものを知らない。その他は、小学校は通っていたが、その後まもなく学校とのつながりが途絶える。
・子どもたちは、男子が108人、女子が99人である。
・T家は、8人の子どもに働かせている。長子が1988年生まれ、末っ子が1996年生まれである。Ç家の 8人兄弟は、長子が1990年生まれ、末っ子が1995年生まれである。
・P家は5人の子どもを犯罪へと仕向けた。5人の子どもは1994年、1995年、1997年、2000年生まれである。6歳のB.P.ちゃんも犯罪に引き込まれた。イスタンブル副知事のメフメト・セイマン氏は、これらの家族を取り締まるべく働きかけを行なっていると述べ、次のように語った。
「特に、イスタンブルに住むある10家族がひどい。データが示すところでは、その家族は、相手は子どもだと分かりつつ、犯罪へ引き込み、子どもたちから稼ぎを得ようとしている。これを貧乏のせいだと言い訳できない。家族が8人の子どもをそそのかして犯罪に引き込んだという事実は明白である。あるいは、子どもが犯罪に手を染めていることに目をつぶっている。これでは家族が犯罪組織に変貌したも同然だ。1月3日、イスタンブル知事のムアッメル・ギュレル氏の指示により、我々はこの現実と戦うこととなった。社会福祉団体と保安担当者が一丸となって取り組むことになっている。特に、こうした家族に対してはこまめに法的手段をとるつもりだ。」
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( 翻訳者:坂 泉穂 )
( 記事ID:2562 )